宇佐平野

宇佐平野

宇佐平野は、大分県北部の宇佐市に広がる平野です。周防灘に注ぐ駅館川、寄藻川、桂川などの河川が運んだ土砂によって形成された沖積平野であり、大分県内最大の穀倉地帯として知られています。

地理と特徴

宇佐平野は、駅館川、寄藻川、桂川といった二級水系の本流が周防灘に流れ込む河口付近に広がっています。これらの河川が運んだ肥沃な土壌と豊富な水資源は、農業生産に適した環境を作り出しています。

特に麦の栽培が盛んで、大分県内一の産地です。県内の作付面積の約60%を占める約2,400haで栽培されており、初夏には一面に広がる麦畑が黄金色に輝く風景は、宇佐平野の風物詩となっています。

歴史

宇佐平野は、古代から開けた地として知られ、川部遺跡や東上田遺跡といった環濠集落跡、川部・高森古墳群など、多くの遺跡が点在しています。これらの遺跡は、古くからこの地で人々が生活を営んでいたことを示しています。

中世には、1185年に平田井堰が築かれました。これは現存する大分県最古の堰であり、駅館川左岸の33ヶ村、654町歩を灌漑していた記録が残っています。この井堰は、当時の農業生産を支える重要な役割を果たしていました。

江戸時代後期には、西国筋郡代の塩谷大四郎のもと、和間海岸などの干潟を干拓して新田開発が行われました。この事業を請け負ったのが、大分県知事広瀬勝貞の父祖である広瀬久兵衛です。塩谷は、久兵衛の功績を称え、新田の一つを「久兵衛新田」と名付けました。

また、1750年頃から何度か試みられながらも実現しなかった、駅館川右岸の高台への水路建設が、南一郎平によって1870年に完成しました。この水路は、広瀬久兵衛の資金援助を受けて建設され、「広瀬井手」と名付けられました。南一郎平は、当時日田県知事であった松方正義にその功績を認められ、後に安積疏水、琵琶湖疏水、那須疏水という日本三大疏水の開発にも携わることになりました。

主な河川

駅館川
寄藻川
桂川

周辺の平野

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宇佐平野は、肥沃な大地と豊かな水資源に恵まれ、古代から現代に至るまで、人々の生活を支え続けてきた歴史と文化を持つ場所です。

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