宇佐美-網代バイパス

宇佐美-網代バイパス

概要

宇佐美-網代バイパスは、静岡県伊東市宇佐美から熱海市網代に至る国道135号線の重要なバイパス区間です。総延長は約1.9キロメートル（正確には1,925メートル）で、伊豆半島の東海岸沿いを走るこの路線の交通課題を解決するために建設されました。

建設の背景と目的

国道135号線のこの区間は、かつて道幅が狭く、特に旧道である宇佐美隧道や網代隧道といったトンネル周辺では、大型車両のすれ違いが困難な箇所が存在しました。これにより、交互通行によるボトルネックが生じ、慢性的な交通渋滞を引き起こしていました。宇佐美-網代バイパスの整備は、こうした国道135号線の狭隘部を解消し、交通の流れをスムーズにすること、そして安全性の向上を図ることを主な目的として進められました。

区間構成と構造物

本バイパスは、宇佐美側の約1.1キロメートルと網代側の約0.8キロメートルの二つの区間に分かれており、両区間は約2キロメートル以上離れています。この中間部分は、引き続き従来の国道135号線を経由する必要があります。バイパスの開通により、旧道の多くは通行できなくなり、バイパスが現在の国道135号線の本線となっています。

宇佐美工区

宇佐美工区では、1925年（大正14年）に開通した宇佐美隧道（全長114m、幅員5m、高さ4m、高さ制限3.6m）に代わる新たなルートとして、新宇佐美トンネルが整備されました。新宇佐美トンネルは全長710.9メートル、幅員7.5メートル、高さ4.7メートルを有し、より大型の車両も円滑に通行できるよう設計されています。このトンネルは1993年3月に完成し供用を開始しました。宇佐美隧道を含む旧道の一部は廃道となっています。なお、新宇佐美トンネルに隣接する御石ヶ沢トンネルも、1974年（昭和49年）にバイパスとして建設され、旧道は廃道化されています。

網代地区（網代パノラマバイパス）

網代地区では、1932年6月に完成した網代隧道（全長292m、幅員5.5m、高さ制限4m以下）が大型車の通行に支障をきたし、交互通行による渋滞の原因となっていました。これを解消するため、新たな橋梁とトンネルを含む道路が建設されました。この区間は「網代パノラマバイパス」という愛称が付けられており、全長は約815メートルです。主な構造物としては、朝日大橋（264m）、立岩トンネル（284m）、朝日橋（92m）が建設されました。網代バイパスは2005年に供用開始され、旧網代隧道は車両の通行ができないように措置されています。網代隧道自体も、北伊豆地震で被災した海沿いの旧道の代替として建設された経緯を持ちます。また、網代パノラマバイパスの北側に位置する新網代トンネルも、1969年（昭和44年）に網代旭町を通る旧道の迂回ルートとして整備されたものです。

沿革

宇佐美-網代バイパスの事業は、段階的に進められました。

• - 1988年度: 事業化が決定。
• - 1990年度: 宇佐美工区における新宇佐美トンネルの建設が開始。
• - 1993年: 新宇佐美トンネルが完成し供用開始。同年度に網代バイパスの事業も開始されました。
• - 2000年: 網代バイパスの主要構造物である朝日大橋が着工。
• - 2003年: 立岩トンネルの建設が開始。
• - 2005年11月18日: 網代バイパス区間が完成し、全線が供用開始となりました。

このバイパスの完成により、伊豆東海岸における主要幹線道路である国道135号線の利便性、安全性、定時性が大きく性が向上し、地域経済や観光振興にも寄与しています。

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