北伊豆地震

北伊豆地震の概要

北伊豆地震は、1930年11月26日の早朝に発生した直下型の地震です。震源地は静岡県の伊豆半島北部、特に函南町丹那盆地付近であり、地元では「伊豆大震災」として知られています。また、神奈川県側では「豆相地震」と呼ばれることもあります。震源の深さは約10キロ[[メートル]]とされ、地震のマグニチュードはMj7.3、Mw6.9と推定されています。この地震は北伊豆地震地震断層系、特に丹那断層の活動によって引き起こされました。

震度と広がり

震源近くの三島市では震度6が観測され、東京都心や関東地域でも震度4 - 5を経験しました。震動は広範囲に及び、福島県や新潟県、西には大分県にまで及びました。

被害の内容

静岡県の東部から神奈川県にかけて、地震による被害は深刻でした。特に伊豆半島北部の山間部では山崩れや崖崩れが多発し、奥野山では大規模な崩壊があり、農家3戸が埋没し、15名が亡くなりました。この崩壊による土砂量は40万立方メートルと推定され、一時的に狩野川を堰き止める事態となりました。修善寺町では貯水場の築堤が決壊し、神戸川に濁流が流出して10軒が流失し、22名が水死しました。

特に目立った被害は狩野川沿いで見られ、人口7400人の韮山村では、全壊率が40%に達しました。気象庁の統計によると、総被害は273名の死者・行方不明者、572名の負傷者、2165戸の全壊、5516戸の半壊、75戸の焼失がありました。死亡者の大半は圧死と考えられています。

地震前の兆候

地震発生の数ヶ月前から、伊東群発地震と呼ばれる活動がありました。この活動の中で、1930年2月から4月にかけて東伊豆・伊東沖で多くの小規模な地震が観測されました。5月から8月にかけて新たな群発地震が伊豆半島西側で発生し、11月7日から始まった第2期では、前震として最大震度4を記録したM5.1の地震が25日に実施され、その翌日に本震が発生しました。
また、この間には発光現象や地鳴りといった宏観異常も報告されています。

断層の発見

地震後、修善寺の東側から北に延びる多くの断層が発見されました。特に丹那断層は注目を集めており、長さは約35キロ[[メートル]]です。この断層の動きにより、東海道本線用に設計された丹那トンネルの工事に影響を及ぼしました。トンネルの工事中、丹那断層と思われる部分で多量の水が出水し、工事は深刻な困難に直面しました。

トンネルの設計も、地殻変動の影響によりS字にカーブするように変更を余儀なくされました。このような事例は、日本の地震学においても重要な教訓となっています。

結論

北伊豆地震は、今もなお地域の記憶に残る大規模な地震であり、被害の大きさや地震前の兆候など、多くの教訓を残しています。これは将来の地震に備えるために、現在も研究が続けられています。

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