廃道

廃道とは



廃道とは、一般的に使われなくなった道路のことを指します。その定義には二つの側面があり、一つは道路としての用途廃止が決定された道路そのものを指し、もう一つは、外見上、道路としての使用が放棄された状態、またはその遺構を指します。後者の例としては、新しいトンネルの開通によって使われなくなった旧道や、古代から近世にかけて使われていたものの、その後消滅した古道などが挙げられます。本稿では、後者の「事実上の廃道」に焦点を当てて解説していきます。

事実上の廃道



事実上の廃道とは、道路管理者の台帳に記載されているか否か、用途廃止の決定がなされているか否か、車道としての利用が可能か否か、実際の使用状況などとは関係なく、道路としての機能が失われている状態を指します。これは、許認可によって不使用状態となる鉄道廃線とは異なります。廃道の中には、実際には通行できない状態にもかかわらず、地図上では通常の道路のように記載されている場合もあります。

また、建設途中で工事が中断された道路も、事実上の廃道に含まれることがあります。例えば、栃木県道266号線、通称「塩那道路」のように、一部だけが建設され、そのまま放置されている道路も存在します。

廃道化工事



自然環境保護の観点から、廃道となった道路を積極的に元の自然に戻す工事が行われることがあります。これは「廃道化工事」や「復土緑化」などと呼ばれ、放置された廃道が周辺環境に悪影響を及ぼすのを防ぐために行われます。具体的な工法としては、廃道の路面に土砂や瓦礫を積んだり、法面蛇篭を設置したりするなどがあります。この工事も、道路の用途廃止決定とは無関係に実施されます。

廃道探索



廃道は、鉄道廃線と同様に、探索の対象として注目されています。多くの愛好家が、軽四駆やバイク、自転車、徒歩などで廃道を訪れ、その記録をウェブサイトなどで公開しています。しかし、廃道の中には、道路管理者や警察によって「通行止め」とされている場所もあります。これらの場所への立ち入りは、道路法違反や軽犯罪法違反となる可能性があり、万が一事故が起きた場合でも、自動車保険などが適用されないことがあります。また、通行止め標識がない場合でも、管理されていない道路での事故は自己責任となります。

さらに、自動車運転死傷行為処罰法の施行により、通行止めや通行禁止の規制に違反して交通事故を起こし人を死傷させた場合、危険運転致死傷罪に問われる可能性があります。これは、同乗者を含むすべての人に適用されます。

都市部では、再開発や区画整理、河整備、高速道路の建設などの理由で道路が廃止されることがありますが、これらの場合は比較的早く道路の痕跡が消滅し、工事予定地として封鎖されることが多いため、廃道探索の対象となることは少ないです。

関連情報



廃道に関心を持つ方は、以下の関連情報も参考にしてください。

関連項目
廃墟
廃線
道路
旧道
里道
間道
獣道
点線国道
酷道
丸田祥三
外部リンク
日本の廃道
山さ行がねが - 廃道探索愛好家の平沼義之によるサイト。
* 旧道倶樂部

廃道は、単なる古い道ではなく、歴史や自然、そして人の営みが交錯する場所です。探索の際には、危険を伴うこともありますので、十分な準備と注意が必要です。

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