宇出津駅

宇出津駅の概要

宇出津駅（うしつえき）は、かつて石川県鳳珠郡能登町宇出津に位置していた能登線の駅でした。この駅は、2005年に能登線が廃止されるまで存在しており、急行列車が停車する重要な駅として知られていました。

歴史

宇出津駅の歴史は、1960年の開業から始まります。この年の4月17日、日本国有鉄道（国鉄）の能登線が開通し、それにあわせて宇出津駅も開業しました。開業当初は旅客の他、貨物の取扱も行われていました。その後、1963年には松波駅までの延伸が実現し、利用者の利便性が向上しました。

1981年には貨物取扱の廃止が決定され、1984年には荷物の取り扱いも終了しました。このように、徐々に駅の機能は縮小していきましたが、1987年の国鉄分割民営化を経て、宇出津駅は西日本旅客鉄道（JR西日本）の管理下に置かれ、1988年にはのと鉄道に移管されます。

その後、2005年4月1日に能登線が廃止されたことに伴い、宇出津駅は廃駅となりました。駅は2005年を最後に、その役割を終えました。

駅の構造

宇出津駅は、島式ホームを持つ地上駅で、複数の側線が設けられていました。また、この駅は有人駅であり、利用者に対応するためのスタッフが配置されていました。廃線までの間、のと鉄道の本社もこの駅に置かれ、地域の鉄道交通の中心としての役割を担っていました。

利用状況

「石川県統計書」に基づいたデータによれば、廃止前までの宇出津駅の1日平均乗車人員は一定の規模を維持していました。このことからも、駅が地域において重要な交通インフラの一部であったことがわかります。

駅周辺

宇出津駅周辺には、いくつかの重要な施設が存在していました。特に能登町役場、宇出津総合病院、宇出津小学校が近くにありました。また、国道249号や北鉄奥能登バスの「能登町役場前」バス停も設置され、地域交通の要所としての機能を果たしていました。このバス停は、2020年までは「宇出津駅前」と呼ばれていました。

駅跡の再活用

宇出津駅の跡地では、廃駅後に観光案内所として利用されていましたが、その後の再開発に伴い駅舎は解体され、2014年には「コンセールのと」という交流施設が開業しました。さらに、能登町役場が2020年にこの場所に移転して業務を開始しています。

駅ホームは当初、将来的にモニュメントとして残す計画がありましたが、その計画は変更され、最終的には撤去されました。その後、新たに「鉄道緑地広場」が近隣に設けられましたが、使用されていた設備は持ち込まれず、歴史的な痕跡はほとんど残されていません。

余談

宇出津駅の存在が地域から消え去ったのは、廃駅から18年後の2023年頃のことです。その頃に駅前の交差点名が「宇出津駅前」から「能登町役場前」に変更され、完全に名を失ったという事実は、地域の変化を物語っています。

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