のと鉄道

のと鉄道株式会社の概要

のと鉄道株式会社（英: NOTO RAILWAY CO.,LTD.）は、石川県を中心に活動する鉄道事業者であり、旧国鉄能登線の路線を引き継ぐ形で設立されました。この会社は、国鉄再建法に基づき選定された第3次特定地方交通線を維持するために、地元自治体からの出資を受けて創立されました。現在、のと鉄道が操業しているのは、七尾線のみです。ロゴマークは、平仮名で「のと」という文字をモチーフにしたデザインとなっています。

設立の背景

石川県では、能登線の廃止が決定された際に、交通機関の維持を強く望む声が上がりました。このため、運輸省（当時）に対し、早期廃止の指定を求める陳情が行われたのです。その結果、のと鉄道株式会社が正式に設立され、能登線全体の運営を引き受けることになりました。設立当初は運賃をわずかに値上げしたものの、運行本数を増やし、利用者が増加する結果となりました。この取り組みは、その後の第三セクター鉄道の成功例として賞賛された時期もありました。

運営の変遷

1991年には、地元の願いが叶い、JR七尾線の和倉温泉までの直流電化が実現し、その見返りとして和倉温泉から輪島間の路線をJR西日本から無償で引き受けます。しかし、能登半島内の道路網整備や過疎化により、沿線住民が減少し、乗客数は次第に減少していきました。経営の改善を図るため、同社は専門のコンサルタントの意見も参考にして、2001年に七尾線の一部区間、2005年には能登線の別区間を廃止。かつては100キロメートル以上に及んでいた営業路線は、現在ではその三分の一にまで縮小されました。これに伴って列車の本数も削減が進み、非常に厳しい経営環境が続いています。

特に、七尾線の七尾から穴水間が存続している理由は、2014年度に北陸新幹線が開業する際に、並行する在来線の経営が分離されることが予定されているため、石川県として鉄道運営の知識や組織を維持する必要があったためと考えられています。

近年の運行状況

穴水から輪島間の廃線以降、のと鉄道七尾線では、様々な発展と減便が繰り返されてきました。2003年には急行列車や能登中島折り返し列車を含めて数十本の列車が削減され、運行される普通列車は1日に29本となりました。また、2005年に新型車両が導入される機会に、昇便も行われました。

2015年3月には、定期運行される普通列車は上下計34本となりました。さらに、観光列車「のと里山里海号」も2015年より運行を開始し、この列車の運行は、普通列車の本数に影響を与えることもあります。

特徴的な取り組み

同社は地域との関わりを深める取り組みとして、特別なイベントや体験運転を穴水駅で行い、地域住民と観光客に楽しんでもらえる機会を創出しています。また、NT200形の新車両導入によって、沿線の学校や保育所からの作品を車内に掲示するなど、地域密着型のサービスを展開しています。

さらに、2009年から2011年度末には、接客業務に特化したアテンダントが乗務し、利用客へのサービス向上を図っていました。これらの取り組みは、鉄道の運営のみならず地域全体の魅力を高めるための重要な試みでした。

歴史と路線概要

1987年に設立され、翌年に能登線の一部区間が開業しました。その後も時折変化を経て、主要な路線の廃止が続き、現在は七尾線のみが主な営業路線として残っています。加えて、今後の動向次第では、更なる支援や経営改善策が求められることが予想されています。サポートしてくれる地域の期待に応え、持続可能な鉄道運営を目指す努力は、今後も続いていくことでしょう。

もう一度検索