宇宙怪獣ガメラ

宇宙怪獣ガメラ

『宇宙怪獣ガメラ』は、1980年に公開された特撮映画で、監督は湯浅憲明が担当しました。この作品は、昭和ガメラシリーズの第8作目であり、昭和時代のガメラ映画の集大成とされています。また、この映画は同年公開の『鉄腕アトム 地球防衛隊』と同時上映されました。

概要

本作は、1971年の『ガメラ対深海怪獣ジグラ』以来、約9年ぶりに誕生した作品であり、製作元は大映です。実質的に昭和ガメラシリーズの最終作となったこの映画は、マッハ文朱が初めて主演する作品でもあります。ストーリーは既存のフィルムを使用した「新作映画」として製作され、特撮シーンと新たに撮影したドラマ部分を編集して新たな物語を作り出しています。それにより、マッハ文朱はこの作品を「ガメラの集大成」と表現しています。

ストーリー

物語は、平和を監視するためにM88星から派遣された3人の女性異星人、スーパーガールのキララ、マーシャ、ミータンが地球に潜入し、宇宙海賊船ザノン号の侵略計画を察知するところから始まります。宇宙海賊の女幹部・ギルゲが地球に潜り込むと、侵略者である怪獣ギャオスが送り込まれます。ギャオスは地球を襲撃し、平和を脅かします。武器を持たないスーパーガールたちは反撃することができず、追い詰められる中、圭一少年の助けにより正義の怪獣「ガメラ」の存在を知ります。

圭一の念力によってガメラが東京に飛来し、ギャオスに立ち向かいますが、宇宙海賊は次々と怪獣を送り込みます。しかし、全ての怪獣はガメラによって倒されてしまいます。最終的には、ギルゲがガメラを操り地球を破壊しようとしますが、キララの勇気により操縦装置が破壊されます。ギルゲは自らの過ちを悔い、スーパーガールたちと共に地球の平和を守ることを決意します。

特撮とキャラクター

本作品では、エキスプロダクションが制作したガメラのぬいぐるみが使用されました。昭和ガメラシリーズではおなじみの形状が一新され、アトラクション用のぬいぐるみも作られました。特撮シーンの一部は新たに撮影され、またレトロな要素を含めた合成も行われています。

主なキャストには、キララ役のマッハ文朱、マーシャ役の小島八重子、ミータン役の小松蓉子、ギルゲを演じた工藤啓子などがいます。監督の湯浅憲明は、本編と特撮を通して映画の魅力を引き出しました。音楽は菊池俊輔が担当し、記憶に残るメロディを提供しました。

制作背景と影響

『宇宙怪獣ガメラ』は当時のSF作品、特に『スター・ウォーズ』に影響を受けており、宇宙船のデザインなどにその影響が見受けられます。公開時にはテレビ番組での宣伝や、特撮演出風景のレポートも行われ、盛大な宣伝活動が展開されました。公開後は、VHSやDVDなどの映像ソフト化も行われ、今なお多くのファンに親しまれています。

作品の評価と関連作品

多くのファンから支持されている『宇宙怪獣ガメラ』は、後の「平成ガメラシリーズ」へと繋がる重要な作品でもあります。また、漫画作品『大怪獣ガメラ』にもその世界観が描かれ、作品全体の評価が高まっています。

映画は特撮ファンのみならず、幅広い世代の観客に愛され続けており、今後も語り継がれていくことでしょう。

もう一度検索