守屋文雄

守屋 文雄

守屋 文雄（もりや ふみお）は、1976年に宮城県で生まれた日本の映像作家であり、俳優としても活動しています。映画監督、脚本家、そして俳優という複数の顔を持ち、そのキャリアは多岐にわたります。

経歴

日本大学藝術学部映画学科を2001年に卒業。大学では当初、俳優としての道を志し演技を学びましたが、後に監督コースへ転じ、卒業制作として映画『ヒモのひろし』を手がけました。

この卒業制作が後のキャリアに繋がります。2005年、この『ヒモのひろし』のシナリオが第2回ピンク映画シナリオ募集で入選を果たし、翌2006年には田尻裕司監督によって映画化されました。これが、守屋氏の脚本家としての出発点の一つとなります。

大学の同期には、映画監督の沖田修一氏や、映画監督・映像ディレクターの筧昌也氏がいます。特に沖田監督とは、『青梅街道精進旅行』や『キツツキと雨』といった作品で脚本を共同で執筆するなど、協業も行っています。

脚本家としての活動

脚本家としては、ピンク映画から始まり、多様なジャンルの作品に携わっています。代表的な脚本作品には、キャリアのきっかけとなった「ヒモのひろし」をはじめ、「おじさん天国」といったピンク映画のシナリオがあります。商業映画では、いまおかしんじ監督との共同脚本による「UNDERWATER LOVE -おんなの河童-」や、大学同期である沖田修一監督と共同で執筆した「キツツキと雨」などが知られています。また、テレビドラマシリーズ「ディアスポリス 異邦警察」の一部エピソードや、その劇場版「ディアスポリス DIRTY YELLOW BOYS」では熊切和嘉監督と共同で脚本を手掛けています。さらには、「夫がツチノコに殺されました。」といった話題作の脚本も担当しており、幅広いフィールドでその筆を振るっています。

映画監督としての活動

自らメガホンを取る作品も手掛けています。監督作品としては、311仙台短篇映画祭制作プロジェクトの一環として公開された『明日』（2012年）、『ひとみちゃん』（2016年）、『まんが島』（2017年）などがあります。監督として、自身の世界観を映像化する試みも継続的に行っています。

俳優としての活動

脚本や監督業と並行して、俳優としても精力的に活動しています。特にいまおかしんじ監督作品への出演が多く、「イサク」、「UNDERWATER LOVE -おんなの河童-」（死神役）、「星の長い一日」、「川下さんは何度もやってくる」、「あなたを待っています」、「感じるつちんこ ヤリ放題！」など、数多くの作品に参加しています。また、沖田修一監督作品にも出演しており、「南極料理人」（2009年）や「モヒカン故郷に帰る」（2016年）で見ることができます。近年では、城定秀夫監督作品「性の劇薬」（2020年）、「愛なのに」（岬の父役、2022年）、「ビリーバーズ」（長官役、2022年）にも出演し、その存在感を示しています。他にも、「方舟の女たち」（サソリ役、2017年）、「欲しがり奈々ちゃん ～ひとくち、ちょうだい～」（松山店長役、2021年）、宝来忠昭監督の「痴人の愛 リバース」（2024年）、山嵜晋平監督の「つゆのあとさき」（矢田役、2024年）など、多様な役柄で多くの作品に彩りを添えています。

守屋文雄氏は、監督・脚本家・俳優という異なる立場で映画製作に関わることで、作品に対して多角的なアプローチを可能にしています。その活動は、ピンク映画からアート系作品、さらには商業映画に至るまで広がりを見せており、日本のインディーズ映画シーンを支える重要な人物の一人と言えるでしょう。X（旧Twitter）でも情報を発信しています。

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