安井琢磨

安井琢磨について

安井琢磨（やすい たくま、1909年4月1日 - 1995年12月17日）は、20世紀を代表する日本の経済学者であり、経済学博士としての学位を1953年に取得しました。彼は、大阪大学と東北大学の名誉教授として知られ、「日本のサミュエルソン」と称されるほど、近代経済学の発展に寄与した人物です。

略歴

安井は大阪府大阪市で生まれ、1931年に東京帝国大学経済学部を卒業後、同大学の助手としてキャリアをスタートしました。その後、1939年には助[[教授]]に昇進し、1944年からは東北大学法文学部の教授に就任しました。1948年には、大阪大学法文学部教授を併任し、1965年には大阪大学経済学部附属社会経済研究施設の教授に任命され、1972年から国際基督教大学で教授を務めました。このように、安井は多様な教育機関で学問を展開し、特に経済学の教育と研究の推進に努めました。

学問と業績

彼の学問的基盤は東京大学での教育にあり、河合栄治郎の指導の下で経済学を学びました。特に、近代経済学を戦前から研究していた数少ない経済学者の一人であり、经济学における重要な理論の先駆者としての地位を築きました。彼が注目を集める一因は、ワルラスとヒックスの理論に関する先駆的研究を行った点です。

安井はリアプノフ関数を使用した競争均衡の安定性分析や、非線形微分方程式を用いた景気循環分析を行い、これらの手法は後に海外でも高く評価されました。戦後の経済哲学への貢献は、純粋理論の研究だけでなく、公害問題を経済学の視点から考察するなど、現実の問題への応用も重視されていました。彼の活動は近代経済学の再構築と普及に大きな影響を及ぼしました。

受賞歴と叙勲歴

安井はその功績により、1971年に文化功労者に認定され、同年には文化勲章を受賞しました。また、1981年には勲一等瑞宝章を授与され、彼の学問に対する貢献が広く認められました。

主な著書

安井の著作も多岐にわたり、以下は彼が執筆または編纂に関わった主な著書です：

• - 『均衡分析の基本問題』（岩波書店、1955年）
• - 『安井琢磨著作集』全3巻（創文社、1970-71年）
• - 『経済学とその周辺』（木鐸社、1979年）
• - 『近代経済学と私 安井琢磨対談集』（木鐸社、1980年）

さらに、彼は多くの書籍の共編著や翻訳にも取り組んでおり、近代経済学に関する理論的な枠組みを日本に広める重要な役割を果たしました。特に、経済学の礎となる理論に関する文献の翻訳を行い、その普及に貢献しました。

終わりに

安井琢磨の功績は、日本の経済学界において今なお高く評価されており、彼の研究と著作は後世の学者や学生たちに多大な影響を与えています。彼の経済学への情熱と深い洞察力は、日本の経済学の発展に不可欠な要素であり、彼の業績は引き続き重要な参考として利用されることでしょう。

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