安全地帯アンプラグド・ライヴ!

安全地帯アンプラグド・ライヴ!

『安全地帯アンプラグド・ライヴ!』は、日本のロックバンド、安全地帯の第6作目の映像作品であり、1993年8月25日にKitty Recordsからリリースされました。この映像は、1992年12月26日に神奈川県民ホールで行われたコンサートツアー「10th Anniversary Acoustic Special Night」の最終日の模様を収めています。約4年半ぶりのライブ映像ということもあり、ファンにとっても待望の作品となりました。

バンドの背景

安全地帯は、1991年にリリースしたアルバム『安全地帯VIII〜太陽』発表後、キティから独立し、自らのプロダクション「Musical Farmer's Production」を設立しました。しかし、その後の音楽シーンの変化に伴い、メンバー同士に亀裂が生じるようになりました。特に、時代が音楽の打ち込みを重視する中で、ボーカリストの玉置浩二は強い抵抗感を示しました。彼は自身の音楽へのビジョンを追求する中で、メンバーとの意見の不一致が増え、一時は北海道への帰還を考えるほどだったといいますが、他のメンバーの家族を思う気持ちもあり、結局はその決断を下せませんでした。

録音と制作過程

『安全地帯アンプラグド・ライヴ!』は、バンドのデビュー10周年を祝うためのコンサートから収録されています。このライブの特徴は、曲順が決まっておらず、玉置が即興で歌い始めるスタイルでした。また、代表曲のいくつかはメドレー形式で演奏され、一部だけが披露されました。玉置は、当日のパフォーマンスを「安全地帯のベスト・ライヴだった」と触れ、自身の感情が反映された特別なライブであったと述べています。

録音には若干のハードルがありました。当初は日本武道館でのライブが収録される予定でしたが、予算の問題から神奈川県民ホールでの模様が選ばれました。また、撮影はHi8で行われたため、映像の画質についての懸念も存在しました。しかし、作品に対して妥協は一切せず、満足のいく仕上がりを目指して作業が進められました。

パフォーマンスの特異性

ライブ中、玉置のパフォーマンスは一際際立っており、シャウトや即興の歌詞、ギターの激しい演奏が見られました。この時の安全地帯は、今までの彼らのイメージを超えた刺激的なロック・バンドとしての一面を見せていました。志田歩の著書によると、このライブはメンバーにとって感情的な部分が非常に強いものであり、玉置の音楽への情熱が表れた瞬間だったと記録されています。

リリースと批評

本作は、1993年8月25日にVHSとLDの2形態でリリースされ、1999年にはVHSのみ再リリースされました。2000年にはDVDとして再登場し、2003年には再度お買い求めいただける限定版も登場しました。音楽情報サイト『CDジャーナル』では、ノーカット収録に高い評価を得るなど、音楽ファンから支持を受けました。この作品は、安全地帯の躍動感ある演奏と玉置の熱唱が際立つ、特別なライブ映像となっています。

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