安全地帯V

安全地帯Vの概要

『安全地帯V』（あんぜんちたいファイブ）は、日本のロックバンド安全地帯による5枚目のオリジナルアルバムです。1986年12月14日にKitty Recordsからリリースされ、前作『安全地帯IV』からおよそ1年の間隔をおいての作品です。本アルバムの作詞は松井五郎と井上陽水が担当し、作曲は玉置浩二と武沢豊が担っています。また、プロデューサーは星勝と金子章平、安全地帯自身が関与しています。

レコーディングと制作背景

アルバムのレコーディングは1986年の8月から11月にかけて、日本のKRSスタジオおよびキティ伊豆スタジオ、さらにロサンゼルスのオーシャン・ウェイ・レコーディングで行われました。これにより、安全地帯にとって初めての日本国外でのレコーディングとなります。この作品は安全地帯のオリジナルアルバムの中で最も多くの曲が収録されており、多様な音楽性を提供しています。

本アルバムの収録曲には、すでにヒットしたシングル「夏の終りのハーモニー」や「Friend」、「好きさ」が含まれています。ただし、11枚目のシングル「プルシアンブルーの肖像」はこのアルバムには収録されていません。また、この作品はiTunesやGoogle Play Music、Moraなどのプラットフォームでのダウンロード販売や各種サブスクリプションサービスでは配信されていない特異な状況にもあります。

関連する出来事

『安全地帯IV』のリリースやシングル「悲しみにさよなら」のヒットによって、テレビでの露出が増加しました。特に音楽番組『ザ・ベストテン』や『ザ・トップテン』での年間1位獲得が影響を与えました。また、1985年から1986年にかけて、メンバーである玉置浩二は生活の変化や私生活のトラブルに直面しました。

玉置はこの時期に映画『プルシアンブルーの肖像』の制作にも関わり、音楽活動とともに俳優としても活動が活発化しました。彼と女優石原真理子との関係は不倫として報じられ、物議を醸しました。このような状況はアルバム制作にも影響を与え、玉置の心情や経験が歌詞に反映されているとされています。

音楽的な特性

本作では、リズミカルなアレンジや多種多様な楽器の使用が特徴として挙げられます。特にギターのカッティングやホーンセクションなどが緻密に絡み合うスタイルが評価され、前作を超える新たな境地を切り開いたとされます。また、歌詞については、松井が自身の創作過程で苦悩したことも語られており、リアルな心情が作品に色濃く反映されています。

リリースと商業成績

アルバム『安全地帯V』は、1986年12月14日に3枚組のLPと2本組のカセットテープとしてリリースされ、その後CD版も登場しました。オリコンアルバムチャートでは最高1位を記録し、1987年度年間チャートで7位にランクインしました。販売枚数は累計で46.5万枚に達しました。

さらにこのアルバムは2007年、2010年、2017年と何度か再リリースされるなど、長きにわたって愛され続けています。楽曲には大王製紙のコマーシャルソングとして使用された「Friend」や、アニメ『めぞん一刻』のオープニングテーマ「好きさ」など、多くのメディアでも利用されました。

結論

『安全地帯V』は、安全地帯史上最も多彩な作品であり、その音楽的なアイデアと情熱はリスナーに多くの感動を与えています。制作背景やメンバーの個人的な経験が絡み合ったこのアルバムは、日本の音楽シーンにおいて特異な位置を占めています。

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