安全地帯VII〜夢の都

安全地帯VII〜夢の都

『安全地帯VII〜夢の都』は、日本のロックバンド、安全地帯の7枚目のオリジナルアルバムです。1990年7月25日にKitty Recordsから公開され、前作『安全地帯VI〜月に濡れたふたり』から約2年3ヶ月ぶりとなります。このアルバムは、1988年の活動休止宣言以来、安全地帯の活動再開後にリリースされた初の作品でもあります。

全曲の作詞は松井五郎、作曲は玉置浩二が手がけており、プロデューサーには安全地帯とともに星勝、金子章平が関わっています。レコーディングは日本国内で行われ、前作まで参加していたゲストミュージシャンは今回は不在で、安全地帯のメンバー5人が全ての演奏を担当しました。これにより、彼らのバンドとしての一体感が強調され、ロックバンドとしての本質を追求した内容となっています。

本作の特徴的な点は、従来のラブソング中心の構成から一転し、世界情勢の影響を反映した歌詞により、多様なテーマに挑戦しているところです。この新たな試みは、特に世界的な出来事を反映した曲たちによって、聴き手に深い印象を与えるものとなりました。活動休止前にリリースされたシングル「微笑みに乾杯」は、ベストアルバム『I Love Youからはじめよう -安全地帯BEST-』に収録されていますが、本作には新しいシングルとしてリカットされた「情熱」が含まれています。

背景

アルバムリリースの前、バンドは1990年4月から7月23日まで「MIASS CONCERT 安全地帯VI」という名のコンサートツアーを行っていました。その後、リハーサルを兼ねた会合の中で、玉置は「より良い音楽をやりたい」という理由で活動休止を発表。これが活動再開を決意した背景となります。

再コミットメントを果たしたアルバムのレコーディングは1990年の3月から6月にかけて、キーストーン・スタジオで行われました。もともとはテーマ曲のレコーディングのために集まったはずが、その流れでアルバム制作に突入し、キーボードのプログラミングなどもメンバー自身が積極的に携わりました。玉置は「原点に戻ろう」という意識を持って作業に臨み、他のメンバーもその意図を汲んで結束力を強めました。

音楽性

本作は、以前とは異なるアプローチを取り入れており、シンプルでありながら力強いサウンドを特徴としています。歌詞も過去のロマンチックな歌詞から脱却し、社会的なメッセージが込められた楽曲を多く含んでいます。音楽評論家は、本作を「力強い楽曲が揃い、バンド全体のスタイルを際立たせている」と評価しています。

リリースとプロモーション

『安全地帯VII〜夢の都』は、CDとカセットテープの2形態で発売され、収録曲のいくつかはCMやテレビドラマのテーマ曲に使用されました。特に「きみは眠る」や「情熱」、さらには「この道は何処へ」が各メディアで高く評価されました。

その後、アルバムは何度か再リリースされ、特に2022年にはアナログレコード形式で再び発売されるなど、時を経てもファンの心に根強く残る作品となっています。

ツアーと反響

本作のリリースを受けて、コンサートツアー「安全地帯VII-夢の都-TOUR」が行われ、バンドとしての再始動をアピールしました。批評家たちからは肯定的な評価を受け、「洗練された楽曲と力強いボーカルが見事に融合している」と評判はいいです。

このように、本作『安全地帯VII〜夢の都』は安全地帯の再スタートを象徴する重要なアルバムとなり、音楽的にも意味のある作品として今でも多くのファンに支持されています。

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