安全地帯VIII〜太陽

『安全地帯VIII〜太陽』

『安全地帯VIII〜太陽』は、日本のロックバンド安全地帯による8枚目のオリジナルアルバムであり、1991年12月11日にKitty Recordsからリリースされました。このアルバムは、前作『安全地帯VII〜夢の都』から約1年5ヶ月の時間を経て発表されたもので、活動を再開した1990年以降の第2作目でもあります。全曲の作詞は松井五郎、作曲は玉置浩二、プロデューサーは金子章平が担当しています。

レコーディングとツアー

レコーディングは1991年の6月から11月にかけて日本国内で行われました。本作には「太陽」を除く全曲が安全地帯のメンバー5人だけで演奏されており、特に前作と異なりゲストミュージシャンは参加していません。なお、アルバムリリース前からライブツアー「安全地帯VIII MUSICAL FARMER'S TOUR」が行われており、ツアーと同時並行でレコーディングが進められました。

アルバムのテーマはラブソングを中心に展開されつつ、社会情勢や政治的な問題も取り入れられた内容となっています。音楽スタイルはバラードに加えて、ニュー・ウェイヴやワールド・ミュージックの要素を融合させた楽曲が特徴です。先行シングル「いつも君のそばに」は、トヨタ自動車のコマーシャルソングとしても利用されました。

バンドの背景

前作リリース後、安全地帯はコンサートツアーを実施し、急遽玉置のソロツアーから安全地帯のツアーへと変更しました。この時期、玉置浩二は女優で歌手の薬師丸ひろ子との結婚も発表し、プライベートでも大きな話題を呼んでいました。同バンドは新たに「Musical Farmer's Production」という所属事務所を設立し、金子章平をはじめとするプロデューサーやマネージャーも参加しました。この設立は、「自分たちのことは自分たちで」という意思から生まれたものです。

音楽性と反響

『安全地帯VIII〜太陽』は、当時の音楽シーンにおいて先端的な音作りが随所に見られ、玉置浩二の情感豊かなボーカルが印象的でした。また、アルバムはオリコンアルバムチャートで最高位7位を記録しました。音楽情報サイトや評論家からも高い評価が寄せられており、硬派なラブソングが新しい試みで構成されています。しかし、歌謡曲バンドのイメージとは異なり、商業的には十分な成功を収められない部分もありました。

アルバムのリリース後、安全地帯は新曲を発表するも、1993年を最後に長期の活動休止に入り、名義でのリリースはこれが最後となりました。2002年には復活を果たしましたが、本作の影響は後の作品にまで残されています。

リリースとプロモーション

本作はCDとカセットテープの2形態で発売され、各楽曲がさまざまな企業のCMにも起用されました。アルバムのジャケットは前作と対照的にモノクロで構成され、楽曲の深刻なテーマ性を反映しています。

本アルバムの収録曲は多くのミュージシャンにカバーされるなど、現在でも根強い人気を誇ります。ロックバンド安全地帯の重要な作品として、リリースから数十年を経た今でも音楽界で強い存在感を持ち続けています。

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