安国寺 (綾部市)

安国寺（あんこくじ）

安国寺は、京都府綾部市に位置する臨済宗東福寺派の寺院です。山号を景徳山と称し、静かで落ち着いた雰囲気を醸し出しています。

歴史

安国寺の創建は、正暦4年（993年）に遡ります。当初は光福寺という名で創建され、その後、上杉氏の菩提寺としての役割を担いました。この地が上杉氏ゆかりの地である丹波国何鹿郡上杉荘の一部であったことも、その背景にあります。時代が下り、足利将軍家によって安国寺利生塔となり、その際に景徳山安国寺と改められました。この改称は、寺院が新たな役割を担うようになったことを示しています。

文化財

安国寺は、数々の貴重な文化財を所蔵しています。その中でも特に重要なのが、以下のものです。

木造釈迦如来及び両脇侍坐像: 精緻な技巧が凝らされた木造の釈迦如来像と、その両脇に控える脇侍の像です。仏教美術の観点からも非常に価値が高いとされています。
木造地蔵菩薩半跏像: 優美な姿で表現された木造の地蔵菩薩半跏像です。その表情やポーズからは、深い慈悲心が感じられます。
天庵和尚入寺山門疏（絹本）: 天庵和尚が寺に入った際の山門疏を記した絹本です。歴史的な資料としても貴重です。
安国寺文書（74通）5巻3幅（附 同文書写1冊）・安国寺境内図1幅: 寺の歴史や運営に関する記録が残された古文書群と境内図です。寺の歴史的背景を知る上で欠かせない資料となっています。

これらの文化財は、安国寺の歴史と文化を今に伝える重要な遺産です。

所在地

安国寺は、綾部市上杉町の南に位置しています。寺院は、かつて上杉氏の荘園であった場所に建てられており、その歴史的なつながりを今も感じることができます。静かな山間にたたずむ安国寺は、訪れる人々に心の安らぎを与えてくれます。

安国寺は、その長い歴史の中で数々の変遷を経てきましたが、現在も地域の人々に大切にされ、信仰の場として、また歴史を学ぶ場として、その役割を果たし続けています。

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