安富盛定

安富 盛定の生涯と戦い

安富盛定（やすとみ もりさだ）は、日本の戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将であり、彼の名は特に讃岐の地での東讃守護代として知られています。盛定は雨滝城の城主であり、彼の一生はさまざまな戦いと権力闘争に彩られています。

安富氏の背景

安富氏は、かつての細川京兆家において重臣として名を馳せ、特に安富盛長の時代には細川四天王の一角としての地位を築いていました。しかし、彼らの持つ権力は時と共に揺らぎ、寒川氏や植田氏、さらに十河氏に押されるようになります。盛定が家督を継ぐ頃には、すでに安富氏は周囲の勢力によってその権威を減じられていました。

戦いの始まり

天文13年（1544年）、安富盛定は父・盛方の死去に伴い家督を相続しますが、この頃には安富氏の勢力は衰退しており、彼はその立て直しを図ります。永禄5年（1562年）には三好方として久米田の戦いおよび教興寺の戦いに参戦し、その実力を証明しました。

婚姻と新たな勢力圏の確保

元亀元年（1570年）、盛定は三好長治の重臣・篠原長房の娘を妻に迎え、彼の家柄とのつながりを強化します。その翌年には長治の命により、寒川元隣の治める大内郡のいくつかの郷が三好家に譲渡され、その中の虎丸城に盛定が配されることになりました。これは、阿波三好家の讃岐支配の強化を意図した策であり、盛定の政治的な立場をより強固にするためのものでした。

権力の変転と盛定の運命

しかし、元亀4年（1573年）の上桜城の戦いで篠原長房が三好長治に誅殺されると、三好家は急速に力を失います。天正5年（1577年）には、長宗我部元親の支援を受けた長治の異父兄、細川真之に敗北し自害に追い込まれます。これを受け、盛定も権力の流動性に翻弄されることとなりました。

戦いの最期

天正11年（1583年）には、盛定が治める小豆島において織田家の仙石秀久が十河存保を助けるために軍を派遣しますが、長宗我部勢による攻撃に遭い、盛定の拠点である雨滝城や虎丸城も陥落します。これにより、盛定の運命は暗転し、最後は仙石秀久に従い戸次川の合戦で戦死したと言われています。

盛定の生涯は、戦国時代の武将たちの栄光と衰退を象徴するものとして、また権力の変遷や、戦いの厳しさを物語る歴史的な一片として記憶されています。彼の運命は、多くの武将たちが直面した試練と挑戦を反映していると言えるでしょう。

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