安平鹿一

安平 鹿一の生涯とその政治的活動

安平鹿一（やすひら しかいち）は、1902年1月3日に愛媛県の温泉郡荏原村中野で生まれました。彼は安平金次郎とコマの三男として育ち、早くから社会に対する関心を持つようになりました。1918年に地元の荏原尋常高等小学校を卒業した後、彼は上京し、旋盤工として働きながら社会主義運動や労働運動に参加しました。この時期、彼は東京鉄工組合理事としての役割も果たし、労働者の権利の拡充に尽力しました。

1926年、安平は日本無産党に加入し、その後の政治活動への道を拓いていきます。1929年に地元である荏原町議に当選し、その後も東京市議や東京府議としての職を務めましたが、彼の政治キャリアは順風満帆ではありませんでした。1937年には人民戦線事件で逮捕され、懲役2年の判決を受けましたが、1945年の治安維持法廃止に伴い、免訴となりました。

終戦後、安平は新たに結成された日本社会党と日本労働組合総同盟に関わり、政治の前線に戻りました。1946年の衆議院議員総選挙で地元愛媛県から立候補し、当選を果たしました。続く選挙でも当選し、1949年には一度の落選を挟みつつも、1951年の第25回[[衆議院議員総選挙]]で再び当選を果たします。彼は、社会党分裂の際に左派に属し、1955年には社会党の再統一に伴い組織局長の職に就くなど、党内でも重要な役割を務めました。

安平は衆議院議員を6期務め、その活動を通じて党本部の総務局長や国会対策副委員長を歴任しました。特に1954年には社会党訪中使節団の代表として中国を訪れ、さらに1957年には列国議会同盟の総会に日本の衆議院代表として出席しました。1962年には平和のための国際大会に参加するなど、国際的な活動にも注力していました。

しかし、安平の人生は1963年に脳軟化症と診断された際、大きく転機を迎えました。健康が悪化し、1965年には帰郷を余儀なくされました。そして1967年1月17日、故郷の久谷村でその生涯を閉じました。当初は脳出血が死因とされましたが、彼の死後数日経ってから、社会党愛媛県本部と配偶者によって自ら命を絶ったことが確認され、発表されました。

安平は1月18日に密葬が行われ、その後2月19日に党葬が実施されました。彼の墓所は松山市中野町の心行寺墓地に位置しています。彼の活動と影響力は、戦後日本における労働運動と民主主義の発展に大きく寄与し、今なお多くの人々に記憶されています。彼の生涯は、労働者の権利を守るために戦い続けた政治家の姿を示しており、現代においても重要な教訓を提供しています。

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