安斎伸彰

安斎伸彰

安斎伸彰（あんざい のぶあき）は、1985年8月19日生まれの日本の囲碁棋士です。埼玉県出身で、日本棋院東京本院に所属しています。師は宋光復九段。

プロ入りまで

4歳の時に母親の勧めで囲碁を始めました。家族に囲碁を打つ人はいませんでしたが、オセロが強かったことから、オセロに似た囲碁を勧められたそうです。その後、近所の囲碁クラブで指導を受け、後に宋光復九段を紹介され、師事するようになりました。

小学5年生から日本棋院東京本院の院生となり、1999年の中学2年生の時に棋士採用試験の本戦に進出しましたが、6勝21敗という結果に終わりました。この経験から危機感を抱き、より一層囲碁の勉強に励むようになったと語っています。2001年の棋士採用試験では、本戦で19勝6敗1無勝負という好成績を収めましたが、無勝負局の打ち直しで敗れ、1勝差で合格を逃しました。翌2002年の棋士採用試験では23勝4敗で1位となり、見事合格。2003年4月に17歳でプロ棋士としての第一歩を踏み出しました。

プロ棋士として

プロ入り2年目の2004年には25勝10敗の好成績を記録しました。2005年には竜星戦で決勝トーナメントに進出しましたが、1回戦で敗退。2006年には新人王戦でベスト4、若鯉戦でベスト4、中野杯で3位など、若手棋戦で好成績を残しました。2007年、2008年にも若鯉戦で好成績を収めています。

2010年には富士通杯で日本代表として本戦に出場し、ベスト16に進出しました。2011年にはおかげ杯で優勝、新人王戦では決勝三番勝負に進出しましたが、タイトル獲得はなりませんでした。2012年にもおかげ杯で優勝し、連覇を達成。天元戦では挑戦者決定戦まで進出しましたが、惜しくも敗退しました。

2014年には王座戦で準決勝に進出、本因坊戦では最終予選決勝で敗れ、初の三大棋戦リーグ入りを逃しました。2018年、本因坊戦の最終予選を勝ち抜き初のリーグ入りを果たしましたが、リーグ戦では全敗。名人戦でもリーグ入りを経験しましたが、陥落しています。2022年には王座戦で再び準決勝に進出したほか、SGW杯中庸戦では準優勝という結果を残しました。

人物像

オセロでも四段の実力を持ち、将棋もアマチュア7級程度の実力があります。また、9路盤の囲碁にも造詣が深く、2018年には研究書『9路盤完全ガイド』を執筆しました。同年の「トライボーディアン」という大会では、囲碁、将棋、オセロの3種目で優勝を果たしています。

2018年頃から囲碁AIを用いた研究も積極的に行っており、AI関連の著書も多数あります。本因坊戦リーグ入りを果たした際にも、囲碁AIで研究した変化が勝ちにつながったと語っています。

主な棋歴

富士通杯 ベスト16（第23回）
名人戦 リーグ入り（第46期）
本因坊戦 リーグ入り（第74期）
王座戦 本戦準決勝進出（第62期、第70期）
天元戦 挑戦者決定戦進出（第38期）
碁聖戦 本戦ベスト8（第39期）
新人王戦 準優勝（第36期）、ベスト4（第31期）
おかげ杯（非公式戦） 優勝（第2 - 3回）、準優勝（第4回、第7回）
若鯉戦 準優勝（第3回、当時は非公式戦）、ベスト4（第1 - 2回、同）
SGW杯中庸戦 2位（第1回、第5回。第1回は非公式戦）

昇段履歴

2003年4月1日 入段
2004年 二段
2006年4月1日 三段
2007年4月1日 四段
2008年4月1日 五段
2009年1月1日 六段
2014年11月28日 七段
2022年9月27日 八段

著書

『基本定石の周辺 定石その後の進行を学ぶ』 日本棋院 2016年2月3日
『あなたの碁を劇的に変える! 捨て石の技法』 囲碁人ブックス 2017年3月15日
『囲碁AIが変えた 新しい布石・定石の考え方』 囲碁人ブックス 2018年1月17日
『決定版! 囲碁 9路盤完全ガイド』 囲碁人ブックス 2018年10月12日、新版2022年2月15日
『シンプルで勝ちやすい! 誰でも使える囲碁AI流作戦』 囲碁人ブックス 2019年6月21日
『囲碁AIが教える 中盤の良い手と悪い手』 囲碁人ブックス 2020年2月12日
* 『すぐに使える! 囲碁AI流の奇襲・仕掛け集』 囲碁人ブックス 2021年3月11日

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