若鯉戦

若鯉戦とは

若鯉戦は、将来を担う若手棋士の育成を目的とした囲碁の棋戦です。30歳以下かつ七段以下の棋士が出場資格を持ち、その名の通り、鯉のように勢いのある若手棋士たちが熱戦を繰り広げます。広島アルミ杯という正式名称が示すように、広島アルミニウム工業株式会社が特別協賛しており、日本棋院と日本棋院広島県本部が主催しています。

歴史

2006年に非公式戦としてスタートし、2011年の第6回から公式棋戦となりました。当初は出場資格が30歳以下かつ五段以下と限定されていましたが、徐々に出場資格が緩和され、より多くの若手棋士にチャンスが与えられるようになっています。

参加資格と方式

日本棋院または関西棋院に所属する30歳以下かつ七段以下の棋士が出場できます。新人王戦とは異なり、過去に優勝した棋士も参加資格を満たせば再出場が可能です。

対局はトーナメント方式で行われます。予選は各支部で行われ、本戦への出場枠をかけて争います。本戦は広島県広島市で2日間にわたり開催され、決勝は1番勝負で争われます。コミは6目半、持ち時間は初手から1手30秒で秒読み、1分単位で合計10回の考慮時間があるという、NHK杯方式が採用されています。

歴代優勝者

これまでに数多くの若手棋士が若鯉戦で優勝を果たし、その後の活躍につなげています。

2006年：謝依旻
2007年：志田達哉
2008年：三谷哲也
2009年：内田修平
2010年：寺山怜
2011年：内田修平
2012年：鈴木伸二
2013年：一力遼
2014年：本木克弥
2015年：寺山怜
2016年：一力遼
2017年：李沂修
2018年：富士田明彦
2019年：平田智也
2020年：藤沢里菜
2021年：上野愛咲美
2022年：上野愛咲美
2023年：広瀬優一
2024年：横塚力

特筆すべき記録

若鯉戦では、女性棋士の活躍も目覚ましいものがあります。

第1回（非公式戦）優勝の謝依旻は、男女混合棋戦初の女性棋士の優勝者となりました。
第15回優勝の藤沢里菜は、男女混合公式棋戦初の女性棋士の優勝者となりました。
第16回、17回に上野愛咲美が優勝し、史上初の女性棋士による連覇、及び3年連続女性棋士の優勝という記録を打ち立てました。

若鯉戦は、若手棋士の育成という目的を達成しながら、新たな記録やドラマを生み出す、注目の棋戦と言えるでしょう。

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