安楽寺 (高知市)

安楽寺（あんらくじ）

安楽寺は、高知県高知市に位置する真言宗豊山派の仏教寺院で、妙色山を山号としています。この寺院は、菅原道真の長子、菅原高視によって901年から923年の延喜年間に建立されました。彼は配流先である土佐国潮江で、道真の逝去を知り、筑紫にある菩提寺にちなんで安楽寺と潮江天満宮を設けたとされています。

歴史

寺の初めは潮江から升形、さらに久万へと移転した後、12坊を有する大きな寺院へと発展しましたが、1467年から1477年の応仁の乱の際に焼失し衰退しました。その後、1590年に金剛福寺文書に「久万安楽寺」との記載が見られ、この時期に寺が久万に存在していたことが確認されています。

一度は廃絶しましたが、江戸時代の寛文年間に弘法寺の栄俊大徳によって再興され、この際に院号が金性院に改められました。廃仏毀釈によって明治時代初頭に再び廃寺となりましたが、1875年に常宝によって、長宗我部氏の菩提寺であった旧瑞応院跡にて再興されました。

再興後しばらくの間、曾後に廃寺となった神宮寺とその塔頭の善楽寺に代わって、四国八十八箇所第30番札所として機能しました。1993年まで両方が札所として存在していましたが、1994年1月からは善楽寺が第30番札所、安楽寺がその奥の院として定められ、この問題は解決されました。

かつては「百々山安楽寺」との名でも知られており、現在でも「ミニ四国八十八箇所」に記載される際にこの表記が使われることがよくあります。

境内の見どころ

境内では、仁王門や本堂、大師堂といった重要な建物を見学できます。本堂には本尊の阿弥陀如来がお座りになっており、堂内で「國寶奉安殿」という掛け看板を見ることもできます。また、大師堂では大師像に対面することができます。その他の建物には護摩堂や多宝塔、本坊があり、訪れる人々に深い安らぎを提供しています。

さらに、境内には無料の駐車場も整備されており、複数台の車が駐車可能です。

文化財

安楽寺には、重要文化財としての「木造阿弥陀如来坐像」が存在します。この像はヒノキの寄木造りで、玉眼が施され、高さは68.5cmとされています。制作年代は13世紀頃で、1911年に重要文化財に指定されました。これは元々土佐一宮高鴨大明神の別当であった神宮寺の本尊であり、大明神の本地仏としても崇められていました。

境内にはさらに、旧瑞応寺福泉院の墓地があり、板垣退助の先祖にあたる乾家の墓も存在しています。

交通アクセス

安楽寺へのアクセスも便利で、四国旅客鉄道の土讃線にある高知駅からは徒歩約1.1kmと近い距離です。また、車での訪問の場合、高知自動車道の高知ICからは約4.4kmの距離に位置しています。

周辺の観光スポット

周辺には薫的神社や高知城、はりまや橋といった観光スポットもあり、安楽寺の訪問と合わせて楽しむことができます。歴史ある安楽寺を訪れ、豊かな自然と文化に触れるひとときを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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