安竹宮

安竹宮とは

安竹宮（あんちくぐう）は、日本の政治における用語であり、自民党内の次世代リーダーを指します。これは、安倍晋太郎、竹下登、宮澤喜一という3人の名前の頭文字を取り組まれた造語です。この政治的な表現は、中曽根康弘政権の後継体制を巡った動きに関連しており、次世代指導者として注目を集めました。

背景

この言葉が生まれたのは、田中角栄内閣が存在していた時期であり、その頃には「三角大福中」という既存の実力者たちが政治の舞台にいました。この中で次世代を担う「ニューリーダー」として注目されたのが、安倍晋太郎、竹下登、小坂徳三郎の3人でした。彼らは、党内における将来的な総裁候補として目されており、仲間内で「安竹小（あんちくしょう）」という愛称で呼ばれていました。

しかし、この3人の中で小坂は、党内最大派閥である田中派から外部から加わった存在であり、その政治的立場は脆弱であったために、後に宮澤喜一が加わり「安竹宮」と呼ばれるようになりました。これにより、安倍、竹下、宮澤各氏がそれぞれの派閥の後継者としての役割を担い、「安竹宮」として認識されることとなったのです。

各指導者の道

安倍晋太郎

安倍は早くから派閥後継者としての期待を掛けられ、「総裁の椅子に最も近い男」との評価も受けていましたが、彼は「角福戦争」と呼ばれる陰謀やスキャンダルの影響に悩まされました。外相として四期にわたり連続して務め、「外交の安倍」として知られる一方、1987年の総裁選への出馬機会も失ってしまった。1991年に他界するまで、彼は政治キャリアを築くことができませんでした。

竹下登

竹下は田中派の後継者として見られていましたが、ロッキード事件によってその道は険しくなりました。彼は1987年に竹下派（経世会）を設立し、党内最大派閥のリーダーとしての地位を確立しました。また同年に行われた総裁選で勝利を収め、内閣総理大臣の座に就きました。

宮澤喜一

宮澤は1970年代から総裁候補の1人として名前が挙がっていましたが、政治的な対立があり、就任が遅れました。彼は1986年に宏池会を引き継ぎ、竹下退陣後に総理総裁の地位を獲得しますが、彼の内閣は自民党の野党転落を招いたことが後に影響を与える結果となりました。

リクルート事件による影響

安竹宮の3人は、リクルート事件に関与した結果、政治的ダメージを受けました。宮澤がまず大蔵大臣職を辞職し、それに続いて竹下内閣も退陣の憂き目に遭いました。この事態は、安倍が総裁に立候補する機会を失う要因ともなりました。

次世代への影響

安倍、竹下、宮澤の3人は1990年代初頭にそれぞれ亡くなり、いずれも歴史の中で重要な役割を果たした政治家となりました。2014年には、安倍晋三が内閣総理大臣に就任し、次代の世襲として「安竹宮」の血統が再び政治の舞台に立つことになりました。しかし、彼らの後には続く者も多くないため、その影響は衰退していくことになりました。

まとめ

以上のように、安竹宮という用語は、自民党内の政治的動向を象徴しており、次世代指導者がどのように政治の舞台で争っていたかを示す重要なキーワードです。歴史的な背景やそれぞれの政治家の経歴を通じて、政治の複雑さを感じ取ることができます。

もう一度検索