安藤満

安藤満の生涯と功績

安藤満（あんどう みつる）は、1949年3月10日に千葉県で生まれ、2004年3月27日に食道癌で亡くなるまでの55年間、日本の麻雀界で輝かしい業績を残したプロ雀士です。日本プロ麻雀連盟に所属し、9段の位を持つ安藤は、麻雀の普及に力を注ぎ、特に多くの麻雀漫画の原案に関与しました。

人物像と指導者としての役割

安藤は、国内でもトップクラスの実力を誇るプロ雀士として知られ、後進の指導にも力を入れました。彼の指導を受けた者には、阿部孝則や藤原隆弘、そして二階堂姉妹が含まれており、麻雀界の重要な人材を育成しました。また、安藤はそのユニークなキャラクターでも知られ、西原理恵子の作品にはしばしばネタにされることがありました。

彼は、名人位を獲得した直後の1989年3月に癌と診断され、以後は病と闘いながらも精力的に活動を続けました。特に、2003年秋の天王戦では体調が優れない中で出場し、見事に優勝を果たしました。これは彼にとって最後の公式戦となりました。

安藤は多井隆晴とも深い友人関係にあり、彼の連盟入会を後押ししたエピソードが特に有名です。多井とは遊び仲間としての関係が強い一方で、麻雀の技術を指導する立場でもありました。

雀風と戦術

安藤の雀風は、鳴きを駆使して流れをコントロールする「亜空間殺法」で知られています。この戦術は、当時あまり重視されていなかった鳴きの重要性を再認識させました。一般的には、安藤が常に鳴いている印象がありますが、本人は「亜空間殺法」は流れが良くないときに用いる戦術としており、配牌やツモが良い場合は普通に手を進めることが多かったと語っています。

主要タイトル

安藤は、以下のタイトルを獲得した経歴を持っています：

• - 鳳凰位（第2期・第5期・第6期・第10期）
• - 十段位（第6期）
• - 王位（第16期）
• - 天王位（第2期）

出版物と漫画原作

安藤は多くの著書を著しており、代表的なものには以下が挙げられます：

• - 『安藤満の麻雀 亜空間でぽん!!』（1995年、白夜書房）
• - 『安藤満の麻雀 秘伝・亜空間殺法』（2003年、毎日コミュニケーションズ）
• - 『麻雀 絶対に勝つ定石』（1997年、ポケットブック社）
• - 『麻雀 絶対勝ち組』（2008年、ごま書房新社）

また、安藤は漫画原作としても活躍し、『むこうぶち』や『麻雀亜空間殺法の書』などに関わりました。これらの作品は、彼の雀力や戦術を基にした内容が多く、多くのファンに親しまれています。

映像化とメディア出演

安藤の業績を基にした映像作品も多く、雀狼伝シリーズや『むこうぶちシリーズ』では原案や出演を務めました。また、『麻雀デラックス』（MONDO21）などのテレビ番組にもたびたび出演し、麻雀の魅力を広めました。

安藤満は、その生涯において麻雀というゲームの魅力を伝え続け、多くの後進に影響を与えた偉大なプロ雀士でした。彼の戦術や考え方は今でも多くの雀士に引き継がれています。

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