安藤組

安藤組の概要

安藤組（あんどうぐみ）は、1952年から1964年まで活動していた株式会社東興業（あずまこうぎょう）の俗称です。この名称はマスコミによって広まり、組織としては不動産売買や興行、警備、さらには賭博行為に関与していました。安藤昇が率いるこの組織は、一時期1000人以上の構成員を抱え、都内の地下経済において重要な役割を果たしました。

組織の設立と歴史

安藤組は、1952年7月に安藤昇によって東京都渋谷区宇田川町に設立されました。組織の設立当初から、安藤は指詰めや薬物使用を禁止し、入れ墨も嫌悪するという運営方針を掲げました。これは彼の都会的なスタイルを反映しており、魅力を持つ青少年たちからの支持を得る一因となりました。特に最初期の構成員には大学生が多く、彼らは安藤の理想とするスマートなイメージに共感していたとされています。

エピソードと内部事情

安藤昇の指導の下、安藤組は「下北沢グループ」と呼ばれる自警団を組織し、戦勝国民として闇市を管理していた在日朝鮮人との抗争を繰り広げました。組織内ではしばしば流動的な編成が行われており、こうした変化がメンバーの間での対立を生んでいました。しかし、最も注目されたのは彼らが都内の料亭で賭場を開いていたという事実です。特に渋谷は、安藤昇の名によって賭場の中心地として知られるようになりました。

組織内のヒエラルキーにおいては、若干の緩和が行われ、特に安藤は名門博徒に対して賭場の運営を認められていました。その特権は、反対派との連携を求め組織を運営するための重要な要素でもありました。安藤と武田組との親交に関する言及も多く、反面、鹿十団との摩擦が絶えなかったと言われています。

歴代の組長と主要メンバー

安藤組の中核を成すメンバーには、複数の大幹部が存在しました。安藤昇は法政大学を中退した後、組織を率いていました。その他の主要な幹部には、久住呂潤、志賀日出也、須崎清、石井福造などが名を連ねており、それぞれが組織の異なる役割を担っていました。解散後も多くは違う組織で活躍し、その影響力を維持し続けました。

文化とメディア

安藤組の存在は、単なる犯罪組織としてではなく、文化の一部としても位置づけられています。関連書籍や映画が多数制作され、安藤組の実態やメンバーの人生が描かれました。『激動―血ぬられた半生』や『餓狼の系譜』など、安藤昇自身が執筆した書籍は、その活動内容や思想が綴られた貴重な記録となっています。映画『やくざと抗争 実録安藤組』などは、組織の伝説とともに視聴者に訴えかけました。

組織の解散と影響

安藤組は1964年に活動を終えることとなりますが、その影響はその後の関東やくざ社会においても感じられました。安藤の斬新な組織運営や対外的な関係が、後に続く組織のモデルとなったと言われています。さらに、安藤という人物に関する評価は今なお続いており、彼の生き様は多くの人々にとっての興味の対象となっています。

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