安藤重博は、
江戸時代前期に活躍した
大名であり、
上野国高崎藩の第3代藩主、そして後に
備中国松山藩の初代藩主を務めました。
官位は
従五位下・対馬守。
生い立ちと藩主就任
安藤重博は、安藤重之の長男として生まれました。
明暦3年(
1657年)に、祖父であり先代藩主であった安藤重長の死去に伴い、家督を継ぎ
高崎藩の藩主となりました。
幕府での活躍と移封
寛文4年(
1664年)2月には、幕府の要職である
奏者番に任じられました。その後、
老中へと昇進し、幕政においても重要な役割を果たしました。
元禄8年(
1695年)5月には、5000石の加増を受け、6万5000石で
備中松山藩へ移封されました。
松山藩での治世と批判
松山藩主となった安藤重博ですが、その治世は決して平穏なものではありませんでした。特に、過酷な
検地を行ったとされ、領民から大きな批判を浴びました。
検地は領内の田畑を測量し、年貢を徴収するための基礎となるものですが、そのやり方によっては領民の生活を圧迫する要因となります。重博が行った
検地は、その過酷さから領民の生活を困窮させたと考えられています。
死去とその後
元禄11年(
1698年)8月9日、安藤重博は59歳でこの世を去りました。跡を継いだのは、長男の
安藤信友でした。重博の死後も、松山藩では彼の行った
検地の影響が残り、領民の生活に影を落とし続けたと言われています。
系譜
父: 安藤重之
母: 藤堂高次の娘
正室: 戸田光重の娘
子女
長男:
安藤信友(生母は正室)
娘: 小出英益正室
娘: 酒井忠寛正室
安藤重博は、幕府の要職を歴任し、
大名としても活躍しましたが、その一方で、領民に苦しみを与えた側面も持ち合わせる人物でした。彼の生涯は、
江戸時代の
大名の光と影を映し出すものとして、歴史の中に刻まれています。