安達ヶ橋

安達ヶ橋の概要と歴史

安達ヶ橋（あだちがばし）は、福島県二本松市に位置する阿武隈川に架けられた福島県道62号原町二本松線の道路橋です。この橋は1980年に完成し、全長341.9メートルで、最大支間長は58.2メートル、橋の幅は12.3メートルとなっています。具体的には、実際に車両が通るための有効幅員は11.5メートルで、車道部分が7.0メートル、歩道部分は2.0メートルが両側に設けられています。

この橋は8つの径間から成る鋼箱桁橋の形式をとっており，西側には隣接する安達ヶ橋跨線橋が存在しています。また、国道4号とも立体交差しており、交通の便が非常に良いことで知られています。橋の東詰は安達ヶ原4丁目に、西詰は油井字蓑掛および字天皇館腰に位置しています。橋の名称は、当地に伝わる鬼婆伝説にちなんで付けられたとされています。

橋の歴史

安達ヶ橋の周辺には、かつて「供中の渡し」と呼ばれる渡し場が存在し、有名な俳人松尾芭蕉もこの場所を訪れたと伝えられています。1872年に、地元の有志7名によって渡し舟であった供中の渡しが木橋に架け替えられ、これにより渡橋料が徴収されることとなりました。

明治26年7月には、正岡子規が黒塚を訪れた際の紀行文「はて知らずの記」において、「阿武隈川の橋本に茶屋あり」と記されています。このように、安達ヶ橋周辺は文学的にも重要な場所です。

1900年には、全長91メートル、幅員2.7メートルの木橋が供中橋（ぐちゅうはし）として架けられ、その後も幾度となく木橋の架替えが行われました。具体的には、1908年に113メートルの橋、1911年には87メートル、1915年には98メートルの木橋がそれぞれ架けられましたが、1949年に流出し、ついに安達ヶ橋として名付けられる永久橋が建設されました。この橋は114.3メートルの長さを持つゲルバー板桁橋で、三菱重工業横浜造船所が上部工を担当しました。

その後、東北本線の踏切を立体化する計画や国道4号のバイパス工事、さらには二本松バイパスの整備が進められる中で、1980年に現在の鋼箱桁橋が架け替えられました。この安達ヶ橋は地域の交通の要所として、今後も重要な役割を果たしていくでしょう。

周辺観光地

安達ヶ橋の周辺には観光スポットがいくつか存在しています。たとえば、「安達ヶ原ふるさと村」や「供中口古戦場」などがあり、観光客は歴史や自然を楽しむことができます。また、隣接する橋には舟形橋や高田橋、さらに下流には智恵子大橋があるため、散策や歴史訪問を楽しむのにも最適な場所です。

このように安達ヶ橋は、美しい風景の中に位置し、地域の歴史と文化を感じさせる重要な構造物として、多くの人々に親しまれています。

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