安野駅

安野駅の概要

安野駅（やすのえき）は、かつて広島県山県郡加計町穴に存在した西日本旅客鉄道（JR西日本）可部線の駅です。この駅は2003年12月1日に廃止されるまで活動していました。

歴史

安野駅の歴史は1954年3月30日、国鉄可部線の布から加計間が開通した際に始まります。この時、一般駅として開業しました。1960年には貨物の取り扱いを廃止し、その後1965年には荷物の取り扱いも終了し、無人駅となりました。さらに、1987年の国鉄分割民営化によりJR西日本が安野駅を継承しました。しかし、2003年に可部線の非電化区間が廃線となったため、安野駅もその運命を辿ることになりました。

駅名の由来

安野駅の名前は、開業当時の所在地である安野村から由来しています。安野村は1956年に加計町と合併しました。実は、安野村は1889年に穴村と坪野村が統合されて生まれたものであり、同じく坪野駅の所在地も当初は安野村でした。このような背景から、現在の住所には「安野」という名称は残っていません。

駅の構造

駅は島式ホーム1面2線を備えた地上駅でしたが、晩年には片側の線路が撤去され、単式ホームとなっていました。また、無人駅として運営されていました。

周辺環境

安野駅周辺には、安芸太田町役場の安野出張所、中国自動車道（戸河内IC - 広島北JCT間）、広電バス・加計交通の船場バス停などがあります。

現在の状況

安野駅跡地は「安野花の駅公園」として整備され、亡き駅の面影を残す駅舎が保存されています。さらに、広島色のキハ58系が静態保存されており、訪れる人々に懐かしさを感じさせています。このキハ58系は、予約をすれば1時間1,000円で車内を貸し切ることも可能ですが、2022年には雨漏り被害に見舞われました。

野良猫の住田

特筆すべきは、駅にはもともと8匹の野良猫が住み着いていたことです。これは、有人駅時代に駅長が猫を飼っていたことがきっかけであり、無人化後も猫たちは駅に残りました。これらの猫は「猫の駅長」と称され、バスカードのデザインにも取り入れられていました。しかし、廃線が決まると、駅舎の取り壊しの危機に直面し、動物愛護団体によって里親が募集されました。その結果、猫たちは新しい飼い主を見つけ、安野駅は「安野花の駅公園」として再生されました。

まとめ

安野駅の歴史とその後の運命は、鉄道と地域社会のつながりを象徴するものです。廃駅後の活用と、野良猫たちの物語は、多くの人々に愛される存在となり、訪れる人々にとって訪問すべき場所となっています。

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