坪野駅

坪野駅（つぼのえき）

坪野駅は、かつて広島県山県郡加計町坪野に位置していた西日本旅客鉄道（JR西日本）可部線の駅です。この駅は、可部 - 三段峡間の非電化区間の一部として1954年に開業しましたが、2003年に廃止されるまで、その役割を果たしてきました。

駅の歴史

坪野駅は1954年（昭和29年）3月30日に国鉄可部線布 - 加計間の開通と同時に旅客駅として開業しました。この開業により、地元住民は広島市方面などへアクセスする手段を手に入れました。1987年（昭和62年）4月1日の国鉄分割民営化によって、国鉄はJR西日本に生まれ変わりましたが、坪野駅もその傘下に入る形で存続しました。ですが、可部線の非電化区間の廃線が決定されると、坪野駅は2003年（平成15年）12月1日に廃止されました。

駅名の由来

駅名は、坪野駅が位置する大字から取られたもので、もともとは坪野村という名前で知られていました。地域の特性を反映した名前であり、その土地固有の歴史を物語っています。

駅の構造

坪野駅は、1面1線のシンプルな構造を持つ地上駅でした。無人駅であり、駅舎は存在せず、ホーム上に設置された待合所が唯一の設備でした。待合所の西南隅には階段があり、そこが入退場のための通路となっていました。利用者にとって、手軽に利用できる駅ではありましたが、都市部の駅に比べると非常に簡素なものでした。

駅周辺の状況

坪野駅は、集落の中心に位置し、並行する国道191号（国道433号と重複）からわずか500メートルほどの距離にありました。しかし、国道沿いには駅を目指す案内標識が存在しなかったため、通行人はその場所に気付くことが非常に難しかったと言えます。また、駅の西側には、1954年に建立された国鉄営業距離2万km達成の記念碑がありましたが、現在は路盤が道路転用されたため、碑も移設されている状態です。

現在の状況

現在、坪野駅にあった待合室やホーム、線路は全て撤去され、その面影は完全に消えています。この地域を通ると過去の記憶を懐かしむ人々にとっては少し寂しい状況となりましたが、地域の歴史の一部を成し遂げた駅であったことは忘れられないでしょう。

隣の駅

- 水内駅
- 田之尻駅

坪野駅