宋子仙

宋子仙（生年不詳 - 551年）は、侯景の乱において重要な役割を果たした武将です。彼の出自や前半生については詳しい記録が残っていませんが、侯景の配下として頭角を現し、乱の中で数々の功績を挙げました。

太清2年（548年）に始まった侯景の乱において、宋子仙は儀同として侯景に従い、南朝梁の首都である建康の包囲に参加しました。同年11月、邵陵王蕭綸が建康救援のために兵を率いて現れると、侯景は自ら覆舟山の北で蕭綸と対峙し、宋子仙は包囲陣に留まって城壁を守備しました。12月には、侯景の命令で南平王の邸に駐屯し、水辺に柵を設けて建康への援軍を阻止する任務に当たりました。

太清3年（549年）3月、羊鴉仁・柳敬礼・鄱陽世子蕭嗣らが東府城の北に進軍してくると、宋子仙はこれを奇襲して打ち破りました。侯景は宋子仙を司空に任じようとしましたが、当時の武帝によって却下されています。5月には銭塘へ向かいますが、新城戍主の戴僧逷に阻まれました。6月、陸緝・戴文挙らが兵を起こして1万人あまりを集め、侯景が任命した太守の蘇単于を殺害し、前淮南郡太守の文成侯蕭寧を新たな主として擁立し、侯景軍に対抗しました。これに対し、宋子仙は陸緝らを攻撃して破りました。その後、侯景によって司徒に任じられました。11月には銭塘を攻撃し、戴僧逷を降伏させました。12月には、趙伯超・劉神茂らと共に会稽に進攻し、東揚州刺史の臨城公蕭大連を敗走させ、劉神茂を派遣して追撃させ、蕭大連を捕らえました。

大宝元年（550年）1月、宋子仙は侯景によって京口に召還されました。大宝2年（551年）1月には、侯景によって太保に任じられ、同年4月、任約の援軍として東下し、郢州の防備の隙を突いて300騎の兵で急襲して陥落させ、郢州刺史の蕭方諸や行事の鮑泉を捕らえました。5月には、先鋒として1万人の兵を率いて王僧弁が守る巴陵を攻撃しましたが、敗北して撤退しました。6月、王僧弁によって郢州を奪還され、船で逃亡中に白楊浦で捕らえられ、江陵に送られました。

宋子仙は、侯景の乱において目覚ましい活躍を見せましたが、最終的には王僧弁に捕らえられ、その生涯を終えました。彼の軍事的な才能は乱の中で発揮され、侯景政権において重要な地位を占めましたが、時代の波に翻弄された悲劇的な武将の一人と言えるでしょう。

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