宋清

宋清の生涯と役割

『水滸伝』に登場する宋清は、梁山泊の第76位の好漢として知られる人物です。彼は地俊星の生まれ変わりであり、物語の主人公で近しい存在である宋江の弟でもあります。彼の一族における地位は四郎であり、彼の息子には宋安平という名の子がいます。宋清には「鉄扇子」という渾名があり、これは梁山泊で宴席の取り仕切りに用いる扇から由来しています。しかし、その一般的な性格や扇の不便さから、彼を「役立たず」と揶揄するような意見もあるのです。

幼少期と家族の影響

宋清は済州宋家村の地主の家に生まれ育ちました。兄の宋江は鄆城県で胥吏として働いていたため、彼は家業を継ぐ立場にありました。ある日、珍しく兄が帰宅し、なぜ戻ったのかを語りました。北京の知事、梁世傑が舅である宰相・蔡京に贈った賄賂「生辰綱」を奪った一味が東渓村の名主、義人晁蓋たちであり、宋江はその逃亡を助けることになりました。このことを妾の閻婆借に知られ、恐喝された宋江は思わず彼女を殺して逃げてきたのです。

宋清は兄を匿い、後周皇帝の子孫である柴進の屋敷へと逃がしました。これが彼の人生を大きく変える出来事でした。その後、父親は宋江の安否を心配しすぎて、兄を呼び戻すために「父が亡くなった」という嘘の手紙を送りました。この策略により兄は呼び戻され、やがて宋江は江州に流刑となりました。しかし、ここで彼は謀叛の濡れ衣を着せられて処刑の危機に陥りますが、晁蓋の率いる梁山泊の盗賊たちが彼を救出しました。これに伴い、宋清も家族と共に梁山泊へと逃げ込むことになります。

梁山泊での役割

梁山泊では、宋清は宴会の準備や取り仕切りを担当し、百八星の結集後もその役を続けました。梁山泊が朝廷に帰順した際も、彼は従軍しましたが、前線で戦うことはありませんでした。彼は各地の反乱を討伐し、都へ凱旋した後、朝廷から官職を与えられますが、そのような役割を果たすには自分には向いていないと考え、辞退しました。その後、彼は故郷に戻り、病没した父の跡を継いで元の地主としての生活に戻りました。息子の宋安平は後に科挙に合格し、南宋の高宗の治世において秘書学士に進んだという話もあります。

その後の人生

さらに、続編である『水滸後伝』では、宋清が暹羅で王となった李俊に仕える官員としての姿も描かれています。彼の人生は、兄である宋江との関係や梁山泊での活動を通じて、波乱に富んだものといえるでしょう。宋清は、兄の影で苦労しながらも、自らの道を切り開いていった人物として記憶されています。彼の生涯は、家族や義を重んじる価値観の重要性を示しています。

もう一度検索