宍戸親基

宍戸親基

宍戸親基（ししど ちかもと）は、江戸時代末期から明治時代にかけて活躍した長州藩（現在の山口県）の武士です。長州藩一門筆頭の宍戸家当主であり、周防国三丘（現在の山口県周南市）の11代領主を務めました。

生涯

安政2年（1855年）、父の隠居に伴い家督を継ぎました。長州藩13代藩主である毛利慶親（後の敬親）から一字を賜り、初名の徳基（のりもと）から親基に改名しました。藩主を補佐する家老として、藩政に深く関与しました。

元治元年（1864年）には、四国艦隊下関砲撃事件（馬関戦争）が発生。この際、親基は長州藩の講和使節として派遣され、事態の収拾にあたりました。この交渉は、その後の長州藩の命運を左右する重要な局面でした。

慶応2年（1866年）の第二次長州征討では、芸州口（広島方面）の指揮官として、長州藩兵を率いて幕府軍と戦いました。この戦いにおいて、親基は近代的な装備を備えた長州藩兵を指揮し、幕府軍を打ち破るという大きな戦果を上げました。この勝利は、長州藩の勢力を大きく高めることになりました。

明治維新後は、晩年を郷校である徳修館での教育活動に捧げました。親基は、次世代を担う若者たちの教育に尽力し、地域社会の発展に貢献しました。

明治19年（1886年）7月14日、親基は生涯を閉じました。享年は不明ですが、その生涯は長州藩のために尽くされたものでした。家督は、長州藩14代藩主毛利元徳（敬親養子）から一字を賜った長男の宍戸徳裕（のりひろ）が相続しました。

明治33年（1900年）には、徳裕の婿養子である乙彦が、養祖父である親基の明治維新への貢献が認められ、男爵に叙せられ華族となりました。このことは、親基の功績が子孫にまで伝えられたことを示しています。

さらに、大正4年（1915年）には、親基に対して贈従四位が追贈されました。これは、その功績を改めて称えるものであり、親基が長州藩、そして日本の近代化に大きく貢献した人物であったことを物語っています。

親基の人物像

宍戸親基は、武士としての高い能力だけでなく、優れた政治手腕を持ち合わせていました。長州藩の重鎮として、藩政を支え、危機に際しては大胆な決断を下しました。また、教育者としてもその才能を発揮し、人材育成にも力を注ぎました。親基の行動は、長州藩の近代化を推し進める上で重要な役割を果たし、明治維新の成功に大きく貢献したと言えるでしょう。

関連人物

* 宍戸真澂: 宍戸親基の親族であり、長州藩の家臣として活躍しました。


宍戸親基は、長州藩の歴史において重要な役割を果たした人物であり、その功績は後世に語り継がれています。

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