宍粟市歌「ここがふるさと」

宍粟市歌「ここがふるさと」の誕生

兵庫県宍粟市で制定された市歌「ここがふるさと」は、作詞家槙映ニと作曲家山田恵範の手によるものです。この市歌は、宍粟市という地域の魅力やその歴史を反映した楽曲として多くの市民に親しまれています。

旧町歌との関係

この市歌が誕生する以前、旧宍粟郡内の各町では独自に町歌が制定されていました。1932年には、野口雨情が作詞し中山晋平が作曲した「宍粟民謡」などが作られ、地域の名所や特産物にまつわる歌が歌われていました。しかし時代の移り変わりとともに、合併が進み、これらの町歌は消えていく運命にありました。

特に「宍粟民謡」は美しい自然や観光名所を讃えた歌でしたが、合併によって歌詞の内容が市の現況に合わなくなったことから、2005年の合併を経て市歌の必要性が高まってきました。合併協議会では市歌などの見直しが必要であるとの話し合いが行われましたが、実際の策定は長い間先送りにされていました。

市歌の制定に向けた歩み

宍粟市役所は、市制20周年を記念して市歌の制定を決定しました。2025年の制定に向けて、市民や専門家から構成される「市歌制定委員会」が設立されました。この委員会は対象となる歌詞を募集し、地域の特色を強調する内容を多くの市民から採り入れることを目指しました。市内外から集まった意見をもとに楽曲が仕上がり、槙映ニが代表して歌詞を考案しました。

新市歌の特徴と公表

制定日は2025年4月1日で、この日をもって新市歌の歌詞や楽譜、音源が宍粟市の公式サイトにて公開されました。この瞬間を迎えたことで、兵庫県内の播磨地域に位置する全ての市に自治体歌が揃ったことも意義があります。

その他の楽曲

宍粟市には市歌だけでなく、「宍粟市字書き歌」など、難読地名「宍粟」の正しい表記を教えることを目的とした楽曲も存在します。また、市のマスコット「しーたん」のテーマソング「あたし、しーたん！」は市民体操のBGMとして親しまれています。

旧町の歌の探索

宍粟市に先立つ四つの町（山崎町、一宮町、波賀町、千種町）では、独自の町歌や音頭が制定されていました。これらの楽曲は今では公の場で歌われることはありませんが、宍粟市のウェブサイトで「懐かしき旧町の歌」として音源が公開されています。

山崎町

• - 山崎町々歌: 作詞は富田砕花、作曲は信時潔で1958年に発表されました。
• - さつき音頭: 1978年に選定された町民音頭で、音源は西川峰子の歌唱です。

一宮町

• - いちのみや行進曲: 1974年に選ばれた町民愛唱歌ですが、正式な町歌とはなっていません。
• - 一宮音頭: 同時期に制定された町民音頭です。

波賀町

• - 波賀町歌: 1982年に制定され、コーラスの音源も存在します。
• - 波賀音頭: 同じく1982年に制定されました。

千種町

• - いのち輝く: 町制30周年を記念して1990年に制定されました。
• - ちくさで踊ろう: 同時に町民音頭として選ばれました。

これらの楽曲は地域の文化や歴史を象徴するものとして、今でも多くの人々に愛されています。宍粟市の新たな市歌が誕生したことにより、地域の絆や誇りがさらに深まることでしょう。

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