宗像氏男

宗像氏男（むなかた うじお）は、戦国時代の動乱期を生きた人物であり、宗像大社の第79代大宮司を務めました。

生い立ちと大内氏への仕官

永正9年（1512年）に、宗像氏続または宗像氏佐の子として生まれたとされています。氏続の兄である宗像正氏（黒川隆尚）の養子となり、幼少期を過ごしました。その後、周防国を拠点とする大内氏に仕え、その当主である大内義隆より偏諱を受け、「黒川隆像（くろかわ たかかた）」と改名しました。この改名は、当時の武士社会において、主君からの信頼を示す重要な意味を持っていました。

大寧寺の変と殉死

天文20年（1551年）9月1日、大内氏に大きな転機が訪れます。家臣である陶晴賢が主君・義隆に対して挙兵し、大寧寺にて義隆は自害するという事件が起こりました（大寧寺の変）。この主君の死に殉じ、隆像もまた自害しました。主君への忠義を重んじる姿勢は、当時の武士道精神を色濃く反映していると言えるでしょう。

氏雄の表記について

氏男については、「氏雄」と表記された文書も確認されています。同一人物を指していると考えられますが、史料によって表記が異なる場合があります。

参考文献

伊藤常足「宗像郡上」『太宰管内志』 上巻、日本歴史地理学会、1910年
貝原益軒、益軒会「山口村 円通院」『筑前国続風土記』 13巻、益軒全集刊行部、1910年
貝原益軒、益軒会「山田村」『筑前国続風土記』 17巻、益軒全集刊行部、1910年
伊東尾四郎「宗像氏関係史蹟」『史蹟名勝天然紀念物調査報告書』 第5輯、福岡県、1930年

関連項目

* 宗像大宮司の一覧

宗像氏男（黒川隆像）は、戦国時代の激動の中で、宗像大宮司としての役割を担いながらも、大内氏に仕え、主君への忠義を貫いた人物として、その名を歴史に刻んでいます。

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