宗牧

宗牧（そうぼく）は、生年不詳ながら天文14年（1545年）9月22日に没したとされる、戦国時代の連歌師です。出自は越前国一乗谷であり、俗姓は谷氏と伝わります。孤竹斎という号を用いていました。実子に連歌師として知られる宗養がいます。

連歌師としての宗牧は、まず宗長・宗碩に師事し、連歌の道に入りました。修行のため各地を旅し、見聞を広めます。その足跡は広く、公家の三条西実隆邸や、摂関家である近衛家にも出入りし、連歌を通じて交流を深めました。天文5年（1536年）には、連歌宗匠の地位にまで上り詰めています。

天文13年（1544年）には、子の宗養とともに東国への旅に出ています。この旅は単なる遊覧ではなく、後奈良天皇から託された奉書を、尾張国の織田信秀や三河国の松平広忠に届けるという重要な任務を帯びていました。しかし、京都への帰路の途中、下野国佐野において病に倒れ、そのまま帰らぬ人となりました。

この東国への旅の記録は「東国紀行」としてまとめられ、当時の東国の豪族たちの状況を知る上で貴重な資料となっています。宗牧はまた、連歌の相伝書を集大成し、後世の連歌や俳諧に大きな影響を与えました。彼の連歌に対する貢献は計り知れません。

宗牧の作品としては、師である宗長と共同で詠んだ「矢島小林庵百韻」や、いくつかの「宗牧句集」が現在に伝えられています。これらの作品を通して、宗牧の連歌に対する情熱や、その卓越した才能を垣間見ることができます。戦国時代の連歌界において、宗牧は重要な足跡を残した人物と言えるでしょう。

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