宗義暢

宗義暢 (そう よしなが) - 対馬国府中藩第10代藩主

生涯について

宗義暢は1741年6月27日に現在の対馬にあたる地域で、対馬国府中藩の第8代藩主である宗義如の三男として誕生しました。子供の頃からその環境に恵まれていましたが、養子としての運命が宗義暢の人生を大きく変えました。彼は1746年に真孫数馬の養子となり、その後元服の際には父の一字を引き継ぎ、真孫如資という名を名乗ることになります。

やがて、叔父で第9代藩主である義蕃の養子となり、その際に改名して宗義暢となりました。1762年の閏4月28日には義蕃が隠居したため、第10代藩主として家督を継ぎましたが、この時期藩政の実権は義蕃が保持していました。さらに、彼は5月に第10代将軍である徳川家治と会見し、従四位下、侍従、対馬守の職に任命されることとなりました。

藩政の困難

この時代の藩財政は非常に厳しい状況にありました。藩内の資金繰りが困難で、朝鮮通信使を接待するためには幕府からの援助を必要とする始末でした。その結果、即時の倹約や幕府の補助金を受ける必要があり、さらに参勤交代の頻度も3年ごとに短縮されるなどの措置が施されました。しかし、これらの努力にもかかわらず、藩の財政再建は果たせませんでした。藩内では情勢も不安定であり、家臣の鈴木伝蔵による朝鮮からの使者崔天宗の殺害事件も起き、藩の混乱は深刻化していました。

死去とその後

義蕃の死によって、ようやく藩政の実権を握ることができたものの、安永7年の1778年1月5日に宗義暢自身も早逝してしまいます。享年38という短い生涯でしたが、4人の子供の中で最初の四男である猪三郎が跡を継いだものの、後に富寿が身代わりとなり、その名でも知られています。

系譜

宗義暢の家系は非常に複雑で、父は宗義如、母は清樹院という名の士族でした。また養父にあたる真孫数馬、そして義蕃からも影響を受け、家系の中でさまざまな人物が彼の名前を名乗っています。彼には正室として松平頼恭の娘がいましたが、他にも数多くの側室を持ち、家族関係は非常に多様でした。

特に注目すべきは、彼の子供たちの中に存在する偏諱が与えられた人物たちです。宗義暢の影響はその子孫にもしっかりと継がれており、樋口暢朝、樋口暢英、浅井暢謙、田島暢茂といった人物が名を残しています。こうして宗義暢の生涯は、その後の藩の歴史に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

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