宗貞茂

宗貞茂（そう さだしげ）は、生年不詳ながら応永25年（1418年）に没した、室町時代前期に活躍した武将です。対馬の守護大名であり、宗氏の第8代当主として知られています。父は宗尚茂。官位は刑部少輔、讃岐守でした。

貞茂は応永5年（1398年）、一族の宗頼茂から家督を奪い取り、当主の座に就きました。その翌年、応永6年（1399年）からは李氏朝鮮との外交・交易を開始し、関係を深めました。また、筑前守護代の地位にもあり、主筋にあたる少弐氏を支援し、九州北部へ度々進出しました。これにより、宗氏は対馬だけでなく、筑前においても一定の影響力を持つこととなりました。

応永15年（1408年）には、守護代職を弟である貞澄に譲り、自身は対馬に戻り、その統治に専念しました。対馬の安定と発展に尽力したと伝えられています。応永24年（1417年）9月に病に倒れ、翌応永25年（1418年）4月に死去しました。跡は子の貞盛が継ぎました。

貞茂の死後、その功績は長く語り継がれました。大正4年（1915年）11月10日の大正天皇即位の礼に際し、応永の外寇を撃退した功績により、従四位が追贈されました。しかし、後の研究によって、貞茂が外寇時には既に死去しており、実際に外寇に対処したのは息子である貞盛であることが判明しました。にもかかわらず、貞茂の武勇と功績は、後世に大きな影響を与えたことは間違いありません。

関連事項

対馬
対馬国
* 日朝関係史

もう一度検索