宝山鋼鉄

宝山鋼鉄股份有限公司

宝山鋼鉄股份有限公司（以下、宝鋼股份）は、中華人民共和国の上海市に位置する著名な鉄鋼メーカーです。同社は、1977年に新日鉄（現在の日本製鉄）の支援を受けて設立されたことを起源としており、その後も国有企業である宝鋼集団の傘下で活躍しています。宝鋼という名は、同社が以前「宝山鋼鉄（集団）公司」として知られていた時代に由来し、2000年に会社名を変更しました。設立後すぐに、株式を上海証券取引所に上場するなど、経済への影響力を強めてきました。

企業の成り立ちと成長

宝山鋼鉄は、1977年に新日鉄会長の稲山嘉寛が中国を訪れた際、副主席の李先念から建設協力を要請され、設立に至りました。設立当初は日本からの技術者派遣や中国人研修生の受け入れを行い、日本の高度な技術を基にした製鉄技術が育まれました。

第一号高炉が1985年に稼働を開始して以降、宝鋼股份は順調に成長を遂げ、1993年には会社名を宝山鋼鉄（集団）公司に変更しました。その後、1998年には上海冶金控股（集団）会社や上海梅山（集団）会社と合併し、宝鋼集団有限公司としての基盤を強化。2002年には寶山鋼鉄股份有限公司として新たに設立され、上海証券取引所にも上場しました。

生産能力と製品

宝鋼股份の生産拠点は、上海市宝山区にあり、高炉、転炉、電気炉など最新の製鉄設備を備えています。2009年のデータによれば、年間で約2386万トンの粗鋼を生産しており、主に炭素鋼製品（鋼板、鋼管、線材など）のほか、ステンレス鋼板や特殊鋼など多様な鉄鋼製品を手がけています。

子会社と国際的な協力

同社には、南京市近郊に位置する上海梅山鋼鉄股份有限公司や、新日本製鐵及びアルセロールミタルと共同設立した宝鋼新日鉄自動車鋼板有限公司、日新製鋼と共同で設立した寧波宝新不銹鋼有限公司など、多数の子会社があります。これにより、国内外での市場拡大や製品の多様化を推進し続けています。

未来への展望

宝鋼は、2021年に日本製鉄から特許侵害で提訴されるなど国際的な法的問題を抱えつつも、技術革新や国際協力に注力しています。また、2017年には新日鉄住金との友好協力40周年を祝う式典が開催されるなど、日本企業との関係は深まっています。これからも宝鋼股份は、国内外の市場でさらなる成長を目指していくことでしょう。

まとめ

宝山鋼鉄股份有限公司は、長い歴史と国際的な技術協力を背景に、確固たる地位を築いてきました。今後も鉄鋼業界において重要な役割を果たす企業として、その動向が注目されます。

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