宝島 (雑誌)

雑誌『宝島（たからじま）』の歴史と影響

『宝島』は、1973年7月に創刊された日本の看板雑誌で、当初は『WonderLand（ワンダーランド）』の名で知られていました。この雑誌は、その後10年間にわたって、サブカルチャーの最前線を走り続けました。発行元の宝島社は、この雑誌を通じてアンダーグラウンドやポップカルチャーからアダルトコンテンツに至るまで、さまざまなテーマを扱い、多くの固定ファンを獲得しました。

創刊から1970年代

最初の号は「音楽とカルチャー」をテーマに、植草甚一などが関わり、創刊号の特集は日本のロックバンド・キャロルでした。当初はアメリカの『ローリング・ストーン』の日本版として発行される予定でしたが、商業的な理由から名称が変更され、別の路線へと進むことになります。1973年に発刊された創刊号にはすでに「VOW」という通信コーナーが設けられており、漠然としたサブカルチャーへの入り口が提供されていました。

1974年には一度休刊を経て、復刊。この頃から『宝島』の誌面は徐々にマイナーでカルト的なサブカルチャーを中心に据えるようになりました。しかし、特定のジャンルに偏ることにより、発行部数は伸び悩んでいます。

1980年代の進化

1980年代に入り、雑誌は新たな編集方針を採用し、関川誠が編集を担当することになりました。この期間、『宝島』はYMOや忌野清志郎を取り上げるなど、当時の音楽界に焦点を当てた特集を行い、ヴィジュアルやファッションにも積極的に関わるようになります。1985年から全ページカラーのグラビアが採用され、若者のファッションや文化を支持する雑誌へと成長しました。

1990年代の方針変更

1990年代には、バンドブームの高まりと共に雑誌の売り上げも上昇しましたが、この頃、再び方針を大きく変更し、アダルト雑誌路線へと舵を切ります。特に1992年には一般雑誌で初めてヘアヌードを掲載し、業界に衝撃を与えました。この変更により、強烈な批判が集まる一方で、新たな読者層を獲得することにも成功しました。

2000年代の再編

2000年代初頭に『宝島』は、週刊化と同時にアダルト要素を排除し、ビジネス誌という新たな方向に進みます。しかし、ビジネス誌領域ではライバルが多く、売上は苦戦を強いられました。こうして2003年には再び月刊へ戻ることになりました。この時期の『宝島』は、再びアングラ情報を強調する雑誌へと進化を続けました。

2010年代と休刊の決定

2010年代に入ると、経済誌的な側面は次第に薄れ、社会の裏側に焦点を当てた記事が増えていきました。そして2015年には休刊が発表され、長い歴史に幕を閉じることが決まりました。

主要な関連人物

『宝島』には多くの著名な編集者や作家が関与し、井口洋介、安西水丸などが名を連ねています。また、連載で登場した漫画家やライターたちも、当時のポップカルチャーに大きな影響を与えました。各章において特色豊かな内容を取り扱ったことが、雑誌の魅力をさらに高めました。

このように、雑誌『宝島』は多岐にわたるテーマに挑戦し続け、サブカルチャーと共に歩んできた存在です。その独自のスタンスは、今でも多くの読者に覚えられています。

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