実況パワフルプロ野球'99開幕版

実況パワフルプロ野球'99開幕版



『実況パワフルプロ野球'99開幕版』は、1999年7月22日にコナミ(後のコナミホールディングス)から発売されたPlayStation用野球ゲームです。本作は、NINTENDO 64で発売されたメインシリーズの影響を受けつつ、PlayStationのCD-ROM容量を生かした独自要素も盛り込まれています。

概要



球場のポリゴン化や、ドラマティックペナントの導入、サクセスモードに猪狩兄弟や矢部明雄が登場するなど、同時期に発売された『実況パワフルプロ野球6』をはじめとするNINTENDO 64版メインシリーズからの影響が色濃く見られます。

一方で、PlayStationのCD-ROMの容量を活かし、1998年公式戦の記録を参照できるモードを搭載。各選手のカウント別成績、ランナー別成績、得意・苦手選手との対戦成績など、詳細なデータを確認できました。

また、「データあれこれ」では、本作のパスワードはもちろん、『パワプロ6』や『パワプロクンポケット』の選手データを入力して使用することも可能でした。後のシリーズでは、任天堂ハードとPlayStationシリーズ間でのパスワード互換性はなくなっています。

ロード中には、投げられるボールを打ち返すミニゲームが搭載されていましたが、『'99決定版』では削除されています。

モード紹介



サクセスモード



社会人野球編では、3つの企業から1つを選び、3年間でプロ野球選手を目指します。また、裏野球大会を勝ち抜く「冥球島編」も収録されています。社会人編は、『実況パワフルプロ野球2000』やパワプロワールド(iアプリ版)にも採用されました(リメイク版『パワプロ2000』では、対戦相手としてどすこい酒造編が追加)。

社会人編では、仕事コマンドで評価を上げたり、給料を得たりする要素があります。『パワプロ6』では使い道が少なかった所持金は、本作ではショップで練習効率を上げる野球用品の購入に使用できます。

今作から、投手能力の上昇に経験点が使用されるようになり、技術ポイントが野手技術と投手技術に分離、変化球ポイントが追加されました。

また、PS版では今作以降、セーブせずにリセットや電源を切るとセーブデータが消滅するようになりました。ただし、PS用ソフトのセーブデータはコピー制限がないため、メモリーカード管理画面でファイルを複製すれば、ペナルティなしでリトライ可能です。

選択可能な企業


パワフル物産: 納期までに仕事をこなし、社内評価を上げます。11月には契約更改があり、社長の評価が低いと解雇されます。部長になるとキャプテンになり、7回以降の試合を操作できます。依頼される製品は、現実にはありえないようなものが多いです。
たんぽぽ製作所: 最初からレギュラーで、1年目の日本選手権後にキャプテンに指名されます。会社の景気を維持するために、定期的な仕事が必要です。会社の資産が尽きると倒産します。給料は一番安いですが、会社の資産が溜まると練習メニューがパワーアップします。フォーム改造や守備位置コンバートが可能な会社です。
猪狩コンツェルン: 猪狩守の父が社長を務める会社。実力主義で、定期的な入れ替え試験があります。一軍の練習環境は最高で、チームも強力ですが、一軍を維持するには実力が必要です。野球部員の仕事はデスクワークのみで、給料は一番高いです。

冥球島編


試合のみを行うモードで、「裏日本選手権」という設定のトーナメントを戦います。対戦相手には、過去のパワプロ作品に登場したチームも含まれます。勝利すると選手の能力が上がり、相手チームから選手が加入します。主人公が活躍すると能力の上昇値が大きくなります。最終戦のプロチームに勝利すると、アレンジチームに登録して他のモードで使用可能です。また、最終戦で矢部が復活する特殊なエンディングも存在します。

対戦チーム



聖マリアンヌ高校、極亜久商業、白鳥学園など、様々な個性的なチームが登場します。それぞれのチームには特徴があり、戦い方や仲間にできる選手も異なります。

シナリオモード



1999年シーズン中の名場面を再現したモードです。各球団の特定の試合をプレイし、勝利条件を満たすことでクリアとなります。

実況パワフルプロ野球'99決定版



1999年12月25日には、選手データを1999年ペナントレース終了時のものに更新した『実況パワフルプロ野球'99決定版』が発売されました。

変更点



オープニングムービーが削除
公式戦記録モードが1999年ペナントレース終了時のデータに更新
『'99開幕版』で作ったオリジナル選手・チームを移行可能
サクセスのイベントでオリジナル選手にも「威圧感」を習得させることが可能
冥球島で負けてもセーブしたところからやり直せるように変更
* シナリオモードも一部変更

Dreamcast Edition



2000年3月30日には、ドリームキャスト版『実況パワフルプロ野球Dreamcast Edition』が発売されました。ドリームキャスト唯一のパワプロシリーズであり、セガ製ハードとしては最後の作品となりました。サクセスモードは'99開幕版・決定版と同じ社会人野球編と冥球島編を収録。シナリオは阪神と近鉄以外は99決定版と同じものが収録されています。

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