室岡克彦

室岡克彦の将棋人生

室岡克彦（むろおか かつひこ、1959年3月21日生まれ）は、東京都荒川区出身の将棋棋士である。将棋界の著名な棋士の一人として、彼は数々の戦績と独自の棋風を持ち、棋士番号153を有している。名誉九段の佐瀬勇次の門下で、将棋界において存在感を示してきた。

戦績

室岡は、将棋界において特に1982年の奨励会棋戦「若駒戦」での優勝が際立つ。プロ入り後もその実力を証明し、1986年度の名将戦では予選を突破し、1回戦で二上達也を破って準決勝に進出。しかし、優勝者の米長邦雄に敗れる結果となった。この年、神谷広志の連勝記録28を阻止したのも追記される。

1987年には、特に記憶に残る一局で、同期の森内俊之に対して室岡が初めての黒星をつける快挙も成し遂げた。彼はその後も順位戦での活躍を続け、1984年度のC級2組順位戦では9勝1敗の成績で初昇級を果たし、以降19年間C級1組に在籍した。

2012年にはフリークラス宣言を行い、2024年度には現役を続けることを表明したが、2024年6月までの在籍を経て引退を迎えた。

棋風

室岡は振り飛車党の中でも特に四間飛車を得意としており、「藤井システム」との相性が良いことで知られる。彼は先手居飛車に対して持久戦ではなく急戦を選び、その戦法の中で独自の「室岡新手」を開発した。この新手は注目を集め、藤井システムに新たな風を吹き込んでいる。公式戦での最初の一手は2002年の銀河戦で指したものであり、後に名人戦でも使われることで広く知られるようになった。

また、将棋界での公式戦以外の局面でも、室岡は対ゴキゲン中飛車や「室岡システム」と呼ばれる戦法を展開しており、戦局の進行に大きな影響を与えている。これらの手法は継続的に研究され、進化を続けている。

人物像

棋士間では「ムロさん」と親しまれており、自身のブログ「荒川将棋日記」でもそのニックネームを使用している。研究熱心で、棋士仲間とも深い交流を持ちながら、特に佐藤康光とは旅行やゴルフなどのプライベートでも親交がある。また、将棋の序盤研究においても支え合う関係が築かれている。

2024年には自身の弟子が四段昇段を果たし、室岡門下初のプロ棋士が誕生するという嬉しい出来事もあった。

昇段履歴と成績

室岡の昇段履歴は、1973年に奨励会に入会し、1977年に初段、1981年には四段となりプロ棋士の道を歩み始める。その後も順調に昇段し、2023年には八段を獲得したが、2024年6月に引退。通算成績は454勝642敗にのぼる。これらの成績は、彼がどれほどの実力者であったかを物語っている。

室岡克彦は、その将棋界での足跡とともに、今後も多くの棋士に影響を与える存在であり続けるだろう。

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