宥勝寺

宥勝寺の紹介

宥勝寺（ゆうしょうじ）は埼玉県本庄市栗崎に位置する真言宗智山派に属する寺院で、山号は西光山です。正式には西光山無量寿院宥勝寺と称し、寺の本尊には不動明王が祀られています。

歴史

この寺の創立は、建仁2年（1202）に遡ります。当初は有荘氏（後に本庄氏に改称）によって設立されました。創設の背景には、寿永3年（1184）の一の谷の合戦で亡くなった小太郎頼家の妻が、彼の菩提を弔うため、京より法印良運を招いて一寺を建てたという宗教的な動機があります。この寺は「有荘寺」と名付けられ、小太郎の妻も得度し「妙清禅尼」となりました。

さらに、遡ること数年前、有道惟行は沙門空海の巡礼地である浅見山にて、「西光寺」を建立し、阿弥陀如来を祀っていました。しかし、延年2年（1337）には新田足利の兵火によって西光寺は焼失してしまいます。のちに天文6年（1538）には、北条や上杉の戦国時代の影響を受け寺は無住となり、そのまま荒廃が進んでいました。

この状況を憂い、紀州根来寺から僧侶の頼暁がやって来ると、天文24年（1556）に西光寺と有荘寺の二つの寺院を統合し、「西光山無量寿院宥勝寺」と改称されます。この合併により、寺は新たな時代を迎え、地方の有数の名刹へと成長を遂げました。1668年（慶安元年）、良弁僧都の時代には、徳川家からご朱印十石の賜りも受けています。

文化財

宥勝寺はその歴史的背景と共に、数々の文化財も有しています。埼玉県に指定されている旧跡の一つであり、小太郎頼家の墓がここにあります。また、寺宝としても貴重な品々が収蔵されています。

本尊の不動明王は木造であり、伝説によれば興教大師によって制作されたとされています。また、胎蔵大日如来像や日輪大師像、阿弥陀如来像なども木造で製作されています。さらに、小太郎頼家の形見である古扇面や、伝弘法大師筆による般若心経一巻が残されています。そして、チベットの砂曼荼羅（十一面観音曼荼羅）や両界曼荼羅、十二天図も、寺の文化的価値を高めています。

墓所

また、宥勝寺には著名な哲学者、東京大学名誉教授の廣松渉の墓所も存在します。彼の存在が加わることで、寺の重要性や意義が一層増しています。

交通アクセス

宥勝寺へのアクセスも便利です。JR本庄駅からはタクシーで約15分の距離にあり、JR本庄早稲田駅からは徒歩で約10分で到着します。

このように、宥勝寺は歴史、文化、アクセスの面においても非常に魅力的な寺院です。訪れることで、その深い歴史と精神に触れることができるでしょう。

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