宮城山福松

宮城山 福松の生涯と相撲キャリア

宮城山 福松（みやぎやま ふくまつ、1895年2月27日 - 1943年11月19日）は、岩手県の山目町に生まれた大相撲力士です。その本名は佐藤 福松で、第29代の横綱に名を連ねました。大阪相撲最後の横綱でもある彼は、相撲界に影響を与えた人物として知られています。

幼少期と相撲への道

福松は、幼少時からその大柄な体格で知られ、父を助けるために馬車を軽々と持ち上げるその姿から、将来が期待されました。彼は家業を手伝いながら村相撲に参加し、その傍らで相撲の技術を磨いていました。1909年、岩手県に訪れた力士団に触発され、力士を志望します。その年の6月場所には「岩手川」という四股名で初めて土俵に上がりました。

初土俵から短期間で三段目に昇進し、大銀杏を結う姿を見せましたが、九州山とのトラブルが発生し、一度は相撲の道を離れます。しかし、彼は相撲への情熱を失わず、出羽ノ海部屋の勧めで再び土俵に立つ決意を固め、「宮木山」と改名して再出発しました。その後、1916年に入幕し、順調に昇進を続けます。

横綱昇進と合併の時代

1922年1月場所では10戦全勝を達成し、横綱免許を授与される運びとなりましたが、昇進直後には病状が悪化し、長期にわたる休場が続きました。1923年以降の成績は振るわず、合併場所での戦績も奮いませんでした。彼は他の横綱たちと同様に、東京相撲との力量差が囁かれるようになります。

宮城山は他の力士に比べて優れた技巧を持っていましたが、身体的な不調が彼のパフォーマンスに影響を及ぼしていたと言われています。それでも宮城山は大坂相撲の横綱としての地位を保持し続けました。

現役引退後の人生

1927年の本場所で幕内最高優勝を果たし、2度目の優勝を1928年に成し遂げましたが、その後も持病に悩まされ続けました。1931年に最後の場所を迎えた後、年寄である白玉を襲名し、芝田山部屋を経営することになります。彼は自身の土俵での成績に納得がいかなかったことから、引退後も相撲に対する思いを持ち続けていました。

晩年の福松は、腎臓病と脳出血により亡くなりますが、彼が残した相撲の伝統は今でも語り継がれています。また、横綱時代に数多くの金星を配給したことから、「弱い横綱」としてのイメージも持たれましたが、それでも相撲が好きであり続けた力士でした。

まとめ

宮城山福松は、大阪相撲の最後の横綱として、その名を歴史に刻みました。地元岩手県出身の彼が見せた相撲への情熱や、人間としてのエピソードは、今も相撲ファンの心に残っています。相撲界の変遷を経てなお、彼の技術と姿勢は未来の力士たちに影響を与えるでしょう。

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