宮城県信用農業協同組合連合会

宮城県信用農業協同組合連合会（JAみやぎ信連）について

宮城県信用農業協同組合連合会（JAみやぎ信連）は、かつて宮城県仙台市に本部を置いていた、県域の信用農業協同組合連合会です。JAバンクの一員として、県内の農業協同組合（JA）の金融事業を統括していました。

信連の役割

信用農業協同組合連合会（信連）は、各都道府県に設置されていた、JA系統の金融機関です。JA、信連、農林中央金庫（農林中金）という3段階の構造で、JAの貯金を集め、それを運用していました。具体的には、JAは組合員から集めた貯金の大部分を信連に預け、信連もまたその大部分を農林中金に預けていました。そして、残りの資金をJAや信連が貸し出しや投資に回し、収益を上げていました。

経営環境の変化と独自運用の開始

しかし、1980年代以降、政府の減反政策などにより、農家の借入需要が低迷しました。これにより、JAには資金が滞留し、信連への預け入れが増加。そのため、信連は独自の資金運用を迫られました。宮城県信連も、1980年代後半から有価証券運用を開始しました。

バブル経済と経営悪化

バブル経済期には、宮城県信連は有価証券運用で多額の利益を上げ、県内のJAにも高水準の配当を実施していました。しかし、1989年末に株価が暴落すると、宮城県信連は多額の評価損を抱えることになりました。この損失を隠すために、含み損を抱えた有価証券を一時的に別の会社に移す「飛ばし」を行い、通常通りの配当を実施しました。しかし、この不正行為は発覚せず、内部からの異論も出ませんでした。

その後も損失は拡大し、宮城県信連は株価連動型の受益証券にも手を出しましたが、1991年度にはついに赤字に転落。大蔵省、農林省から決算の事前承認を義務付けられる「決算承認団体」に指定されました。また、日債銀系のクラウン・リーシング、長銀系の日本リース、仙台発祥のアポロリースの経営破綻により、多額の融資が不良債権化しました。有価証券の損失と不良債権の処理が重なり、宮城県信連の経営は危機的状況に陥りました。

経営破綻と農林中金への事業統合

1999年8月、多額の不良債権を抱え経営危機に直面した宮城県信連は、自力再建を断念し、農林中金や他県の信連から139億円の資金援助を受けることになりました。これにより、農林中金の管理下に入り、県内の32JAは減資や貯金利率の引き下げを受け入れました。これらの対策により、宮城県信連は累積損失の一掃を図り、2002年10月15日に主な事業を農林中金に統合し、その歴史に幕を閉じました。

沿革

1948年（昭和23年）：宮城県信用農業協同組合連合会として設立
2002年（平成14年）10月15日：農林中央金庫に主な事業を統合

関連情報

* JAバンク宮城

もう一度検索