宮城県柴田農林高等学校

宮城県柴田農林高等学校

宮城県柴田農林高等学校は、宮城県柴田郡大河原町に所在していた県立の高等学校です。地元では親しみを込めて「柴農（しばのう）」と呼ばれていました。かつて柴田郡内に属していましたが、所在地は学校があった時点で大河原町でした。

概要

本校は全日制課程を設置しており、農業や環境に関する専門的な知識・技術を学ぶ学科が中心でした。設置されていた学科は以下の通りです。

食農科学科
動物科学科

これら二つの学科は、主に作物の栽培や畜産など、直接的な「生産技術系」に分類される教育を行っていました。

森林環境科
園芸工学科

こちらの二つの学科は、森林や緑地の保全・活用、植物の利用技術など、「環境技術系」に関わる分野を扱っていました。

沿革

本校の歴史は古く、明治41年（1908年）に柴田郡立蚕業講習所として設立されたことに始まります。その後、時代の変遷とともに数度の名称変更を経てきました。

大正12年（1923年）には宮城県柴田農学校と改称。
大正15年（1926年）には宮城県柴田農林学校となり、農業に加え林業分野の教育も行うようになりました。
昭和23年（1948年）の学制改革により、現在の宮城県柴田農林高等学校という名称になりました。

専門学科の改廃もあり、平成18年（2006年）には土木科の生徒募集を停止し、平成20年（2008年）に廃止されています。

近年の宮城県における高校再編計画に伴い、平成28年（2016年）には宮城県大河原商業高等学校との統合が正式に決定されました。そして、令和5年（2023年）4月には、両校の教育資源を引き継ぐ新しい学校として宮城県大河原産業高等学校が開校しました。これに伴い、柴田農林高等学校としての生徒募集は停止され、在校生が卒業するのを待つことになりました。

令和7年（2025年）3月末をもって、柴田農林高等学校は閉校し、100年以上にわたるその歴史に幕を下ろす予定です。

教育と地域連携

柴田農林高等学校は、専門的な教育を通じて地域社会に貢献する人材育成を目指していました。特に、学校の近くを流れる白石川沿いに広がる「一目千本桜」は、春になると壮大な桜並木として多くの人々を魅了しますが、この景観を守るため、長年にわたり生徒たちが桜の剪定作業に携わってきました。この地道な活動は、地域メディアでもたびたび紹介され、学校の地域に対する貢献を示す象徴的な取り組みとして知られていました。

部活動

本校には、様々な分野の部活動があり、多くの生徒が学業とともに熱心に取り組んでいました。主な部活動は以下の通りです。

運動部: 男女バレーボール部、男女ソフトテニス部、卓球部、硬式野球部、剣道部、ウエイトリフティング部、サッカー部、バドミントン部、柔道部、男女バスケットボール部、ボクシング部など。
文化部: 社会科学部、自然科学部、文芸弁論部、写真部、音楽部、美術工芸部、書道部、家庭科部、囲碁将棋部など。

主な出身者

柴田農林高等学校は、各界に多くの卒業生を輩出しています。その中には、以下のような方々がいらっしゃいます。

小関 幸一 - 宮城県刈田郡七ヶ宿町長を務めた人物。
三宅 義行 - 1968年メキシコシティオリンピックの重量挙げ競技で銅メダルを獲得した著名なアスリート。
中森 宏
* 宮城 もち - プロレス団体「アイスリボン」で活躍するプロレスラー。

アクセス

本校の最寄り駅は、JR東北本線の大河原駅でした。大河原駅からは徒歩でおよそ15分程度の距離に位置していました。

再編統合後の学び舎は、宮城県大河原産業高等学校として、旧柴田農林高校の校舎や施設を活用しています。

（注記：学校名には「柴田」が含まれていますが、学校が所在していたのは柴田郡大河原町でした。）

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