宮城県道51号南蔵王七ヶ宿線

宮城県道51号南蔵王七ヶ宿線は、宮城県白石市と刈田郡七ヶ宿町を結ぶ主要地方道です。この道は、蔵王連峰の南部に位置し、豊かな自然の中を走るルートとして知られています。

概要

県道51号は、白石市福岡深谷地区の国道457号から分岐し、蔵王、不忘、七ヶ宿町の横川地区を経由して、七ヶ宿町の中心部である関地区の東方で国道113号に合流します。道路の大部分は改良されていますが、横川地区には狭隘な区間が残っており、地域住民は並行する町道を主要な連絡路として利用しています。また、全線にわたって起伏が激しい蔵王山の中腹を通過するため、急な坂道やカーブが多く、冬季には雪道となるため注意が必要です。

路線データ

実延長：19826.0 m
起点：白石市三住（国道457号交点）
終点：七ヶ宿町関（国道113号交点）

歴史

江戸時代、この地域は仙台藩の狩猟場であり、深山幽谷の地でした。しかし、羽州街道と奥州街道を結ぶ脇往還として、人や物資の往来に重要な役割を果たしていました。沿線にある「硯石」という地名は、源義経一行がこの地を通ったという伝説に由来します。また、かつての宮城県道七ヶ宿白石線は、現在の県道254号南蔵王白石線と県道51号の南半分にあたり、この道筋に沿って敷設されました。

明治時代には、白石市と山形県上山市を結ぶ鉄道建設の計画がありましたが、実現には至りませんでした。その後、地域住民が資金を調達して鉄道を建設しようとしましたが、現在の白石市街地と小原地区を隔てる山岳を避けるため、県道51号に一部沿う形で敷設が計画されたものの、免許失効により実現しませんでした。

第二次世界大戦後、海外からの引き上げ者によって開拓が始まりました。宮城県の小学生用副読本にも採用された開拓の苦労譚は、非常に困難なものでした。県道51号の沿線は、この開拓によって初めて定住者を迎えた地域が多く、現在でも代替となる道路は整備されていません。

そのため、居住者は少ないものの、ほとんどの分校が閉鎖され、商店もほとんど存在しない過疎化・高齢化が進む地域において、県道51号は蔵王山麓を縫う観光道路としてだけでなく、地域住民にとって文字通り「生命線」となっています。

1993年（平成5年）5月11日には、県道不忘山三住線・県道七ヶ宿白石線の一部が、南蔵王七ヶ宿線として主要地方道に指定されました。

地理

県道51号が通過する自治体は以下の通りです。

白石市
刈田郡七ヶ宿町

主要な交差道路は以下の通りです。

国道457号（起点）
宮城県道254号南蔵王白石線（白石市福岡八宮）
国道113号（終点）

沿線の施設

県道51号沿いには、以下の施設があります。

国立南蔵王青少年野営場
みやぎ蔵王白石スキー場
蔵王開拓温泉
宮城蔵王キツネ村
川原子ダム（周辺は遊歩道として整備）
東北池田記念墓地公園（創価学会）
南蔵王ユースホステル
長老湖
* 南蔵王青少年旅行村

宮城県道51号南蔵王七ヶ宿線は、蔵王の自然を満喫できるだけでなく、地域の歴史や文化に触れることができる魅力的な道路です。

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