宮城県道55号定義仙台線

宮城県道55号定義仙台線

宮城県道55号定義仙台線は、仙台市青葉区の西方寺（定義如来）を起点とし、仙台市街の北西部、郷六に至る主要地方道です。この路線は、定義如来への参拝道として古くから利用されてきた歴史を持ち、沿線には豊かな自然と歴史的な景観が広がります。

概要

定義仙台線は、定義如来の門前町から始まり、大倉地区では大倉ダムによって形成された大倉湖の東岸を走ります。芋沢地区に入ると、広瀬川の北岸に沿って進み、地区の南部を縦断します。その後、国道457号と短い区間を重複し、仙台市青葉区郊外の郷六へと至ります。この道は、かつての定義街道に相当し、1958年（昭和33年）に県道として認定されました。現在は、仙台市が道路の管理を行っています。

路線データ

• - 実延長：19972.4 m
• - 起点：仙台市青葉区大倉（西方寺前）
• - 終点：仙台市青葉区郷六（宮城県道31号仙台村田線交点）

歴史

定義仙台線は、古くから定義如来（浄土宗西方寺）への主要な参拝道として機能していました。仙台から定義如来へ向かう人々は、主にこの道を利用しました。明治時代には、道中の風景や名所を歌い込んだ「定義参詣道中唄」が作られ、街道沿いには茶屋が点在していました。

芋沢地区では、古い街道と現在の県道はほぼ同じ経路を辿っていますが、大倉地区では、かつての街道が大倉川の西岸を通っていたのに対し、現在の県道は東岸を通っており、大きく異なります。大倉の盆地では、山が川に迫る地形が道の選択に影響を与えており、大倉ダム建設以前は、高柵山の存在が街道の経路を大きく左右していました。1884年（明治17年）に高柵山にトンネルが掘られたことで、定義街道の利便性が向上し、多くの参拝客が利用するようになりました。

年表

• - 1993年（平成5年）5月11日：建設省により、県道定義仙台線が主要地方道に指定。

路線状況

愛子盆地と大倉湖畔を除き、全体的に険しい地形を通る路線ですが、改良工事が進められています。正月期間中は、初詣客による交通渋滞が発生することがあります。

芋沢地区では、県道55号と並行して仙台市道が赤坂川を隔てた北側を通っており、住宅団地を経由する市道の方が自動車の通行に適している場合があります。市営バスが乗り入れない下倉 - 畑前北の区間は、道幅が狭く未改良な区間であり、災害による通行止が発生しやすい状況です。

重複区間

• - 宮城県道263号泉ヶ丘熊ヶ根線（青葉区大倉小学校前 - 青葉区大倉下倉）
• - 国道457号（青葉区芋沢字大竹新田）

地理

仙台市都心部から広瀬川北岸を西へ向かう宮城県道31号仙台村田線から分岐し、権現森が川に迫る広瀬川北岸を進みます。芋沢川を小川橋で渡り愛子盆地に入り、大沢橋で国道457号と短く重複します。その後、広瀬川と分かれ、芋沢地区を西北西方向に横断し、赤坂の集落を通過します。新天狗橋で大倉川西岸に渡り、宮城県道263号泉ヶ丘熊ヶ根線と合流し北上、大倉ダムの堤体を通って東岸に戻り、大倉湖沿いを北に進みます。大倉川を定義橋で渡ると、定義如来の門前町に至ります。

通過する自治体

• - 仙台市（青葉区）

交差する道路

• - 宮城県道263号泉ケ丘熊ケ根線（青葉区大倉下倉）
• - 国道457号（青葉区芋沢字大竹新田）
• - 宮城県道31号仙台村田線（終点）

沿線施設

• - 極楽山西方寺（仙台市青葉区大倉上下）
• - 仙台市立大倉小学校（仙台市青葉区大倉墓前）
• - 仙台環境開発大倉ダム（仙台市青葉区）
• - 仙台市立川前小学校（仙台市青葉区芋沢赤坂）

参考文献

• - 仙台市「宮城町誌」改訂編纂委員会『宮城町誌』本編（改訂版）、1988年。
• - 仙台市「宮城町誌」改訂編さん委員会『宮城町誌』続編、1989年。

関連項目

• - 宮城県の県道一覧

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