宮崎哲弥 こころのすがた

『宮崎哲弥 こころのすがた』（みやざきてつやこころのすがた）は、評論家の宮崎哲弥をナビゲーターに迎え、現代社会における人間のあり方や、より良く生きるための示唆を探求するラジオのトーク番組です。

この番組は、真宗大谷派東本願寺が宗祖親鸞聖人の七百五十回忌にあたる御遠忌を記念して特別に提供し、製作されました。2010年10月10日から2011年10月2日までの約1年間、MBSラジオを制作局として全国数局で放送されました。

番組の主な内容は、宮崎哲弥が各分野の第一線で活躍する著名人や文化人との対談を通じて、現代人が抱える悩みや疑問に対し、新たな視点や「生きるヒント」を見出すことを目的としていました。取り上げられるゲストは多岐にわたり、作家の五木寛之、青木新門、高史明、藤原新也、ピアニストの仲道郁代、東京大学名誉教授の養老孟司、分子生物学者の福岡伸一、女優のとよた真帆、漫画家の井上雄彦、タレントの清水ミチコ、落語家の桂小春團治など、様々な分野の識者や表現者が登場し、深い議論が交わされました。

興味深い点として、このラジオ番組は、もともとテレビ番組として収録された素材をもとに再編集して構成されていました。対談の相手やテーマに応じて、リスナーが自身の内面と向き合い、日々の生活を見つめ直すきっかけとなるような内容が選ばばれていました。

MBSラジオでは日曜日の午前中に放送されましたが、ニッポン放送など他のネット局でも、それぞれ週末の午前中を中心に放送されていました。主なネット局としては、北海道のSTVラジオ、新潟県の新潟放送、富山県の北日本放送、石川県の北陸放送、福井県の福井放送、中京広域圏のCBCラジオ、福岡県のRKBラジオがありました。

番組内にはミニコーナー「生活の中の仏教用語」も設けられていました。このコーナーでは、アシスタントを務める小塚舞子と観定寺住職の大江憲成が出演し、普段私たちが何気なく使っている言葉の中に隠された仏教由来の語源や意味を分かりやすく解説しました。

番組を彩るテーマ曲は、星村麻衣が作詞・作曲・歌唱を担当した「今日が笑顔であるように」でした。この曲が番組の温かい雰囲気を醸成していました。

製作には、MBS企画と毎日放送が携わり、多くのスタッフによって支えられました。監修は一楽真（大谷大学教授）が務め、ナレーションは宮田圭子が担当。構成、プロデューサー、演出など、各専門分野のスタッフが番組の質を高めていました。

また、同じく東本願寺提供の親鸞聖人七百五十回御遠忌記念番組として、関連番組『親鸞の道』も放送されていました。こちらは女優の羽田美智子がナレーターを務め、親鸞聖人の生涯を、ゆかりの地を訪ねながら紹介する紀行番組でした。

『宮崎哲弥 こころのすがた』は、評論家ならではの鋭い視点と、多様なゲストとの対話を通じて、聴く人それぞれの心に響くメッセージを届けた番組と言えるでしょう。東本願寺の記念事業として企画された点からも、仏教的な観点も含まれつつ、宗派を超えて多くの人が共感できる普遍的な「生きるヒント」が提示されていました。

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