宮崎総五

宮崎総五の生涯と貢献

生い立ちと初期の教育

宮崎総五（みやざき そうご）は、文政11年（1828年）8月1日に駿河国有渡郡弥勒町の由緒ある宮崎家に生まれました。この家系は江戸時代初期に弥勒町一帯の開拓に尽力したことで知られ、地域の交通の要所として代々、旅行者に休息を提供してきました。彼は高村保六のもとで漢籍を学び、鶴田卓池からは俳歌を、平田鉄胤からは皇学を学びました。1844年、父の後を継ぎ17歳で家業を引き継ぎました。

幕末の活動

嘉永7年（1854年）の安政東海地震の際、宮崎は自宅が被害を受けながらも大火を防ぐために奔走しました。元治元年（1864年）、弥勒町の名主に就任し、安倍川の川越助郷や堤防の修築を担当しました。この功績により、安政6年には駿府町奉行から感謝状を受けました。さらに、彼は幕末の動乱期に坂本龍馬や他の勤皇家と接触し、彼らの宿を提供したことからもその活動の幅広さが伺えます。

明治時代の静岡県政への参画

明治元年（1868年）に入ると、宮崎は駿府藩に参加し、治水業務に従事することになります。明治2年には渋沢栄一の事業にも関与し、商法会所附属や常平倉の監督を務めました。明治5年（1872年）の廃藩置県により静岡県が設立されると、彼は戸長に任命され人口調査を行うことに。安倍川の渡船を導入し、その後1873年には安水橋の建設に着手、翌年に完成させ地域の流通インフラを整えました。

1876年には教育の重要性を感じ、朝陽義塾を設立し、漢学と洋学を教授しました。多くの著名な学者を招いて教育の向上に寄与しましたが、1882年には官立中学校の設立により役割を終えることになります。また、彼は静岡県の顧問として、地租改正や地価設定においても活躍しました。

貴族院議員としての活躍

1889年（明治22年）に発布された貴族院令に基づき、1890年には静岡県の多額納税者によって貴族院議員に選出されました。宮崎は東京へ進出し、そこで様々な法案の審議にも関与しました。1897年に任期を終え帰郷し、その後も地域の発展に寄与し続けました。

最晩年

宮崎総五は1909年（明治42年）4月24日に病により亡くなり、28日には興禅寺で葬儀が行われました。彼の業績は地域の人々に深く刻まれ、現在も彼の影響を受けた多くの人がいます。

宮崎家について

宮崎家の先祖である宮崎五郎左衛門英一は、武田信玄と勝頼に仕えた後、駿河国に土着し、土地を開発しました。息子の源右衛門英通は修験者となり、大名の休憩所として機能する弥勒院を建てました。宮崎家はその後も地域に根差した家系として発展を続け、宮崎総五はその系譜の中で重要な役割を果たした人物といえるでしょう。

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