宮崎通之助

宮崎通之助は、1880年（明治13年）8月6日に生まれ、1964年（昭和39年）9月17日に没した日本の官僚です。内務省を中心に、警察官僚としても活動し、地方行政に深く関わりました。

静岡県有渡郡大里村（現在の静岡市）で、宮崎政吉の長男として生を受けました。第二高等学校を経て、1906年7月に東京帝国大学法科大学法律学科を卒業。同年11月には文官高等試験行政科試験に合格し、官僚としてのキャリアをスタートさせました。

当初は逓信省に入省しましたが、1907年に内務省へ転じ、京都府属として地方行政に携わることになります。その後、福島県事務官、島根県事務官・警察部長、宮城県警察部長、北海道庁警察部長、警視庁警務部長など、内務省の要職を歴任し、警察行政分野でも重要な役割を果たしました。

1921年6月には愛媛県知事に就任。県会多数派の政友会の支援を受け県政を運営しましたが、中央政界の政友会分裂の影響を受け、1924年6月に休職。1926年6月23日、休職満期となり退官しました。その後、1927年5月に内務省土木局長として復帰し、1929年7月まで務め、再び退官しています。

特筆すべきは、静岡市長を二度務めたことです。1931年3月から1933年1月、そして1944年9月から1946年11月まで、市民のために尽力しました。しかし、終戦後には公職追放の対象となり、その後の公職から退くこととなりました。

宮崎通之助は、激動の時代を地方行政と警察行政の双方で支えた官僚であり、その経験は、日本の地方自治制度の発展に大きく貢献しました。二度の静岡市長就任は、彼の行政手腕と、地域からの信頼の高さを物語るものでしょう。彼の生涯は、日本の地方行政の歴史において重要な一頁を飾っています。

参考文献

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
* 『「現代物故者事典」総索引 : 昭和元年～平成23年 1 (政治・経済・社会篇)』日外アソシエーツ株式会社、2012年。

もう一度検索