宮崎進

宮崎進（みやざき しん、本名読み：すすむ、1922年2月15日 - 2018年5月16日）は、日本の洋画家であり、多摩美術大学の名誉教授を務めました。山口県徳山市（現在の周南市）出身で、日本美術専門学校を卒業しています。彼の人生において特筆すべき出来事の一つに、シベリア抑留の経験があります。この過酷な体験は、彼の芸術観に深く影響を与え、その後の作品に色濃く反映されています。


1957年、宮崎は光風会展に作品を出品し、画壇での活動を本格化させます。1965年には、日展において「祭の夜」が特選を受賞し、その才能が広く認められるようになりました。さらに、1967年には「見世物芸人」で安井賞を受賞し、その地位を確固たるものとしました。これらの受賞歴は、宮崎の画家としての技術と表現力が非常に高いレベルにあったことを示しています。


教育者としての宮崎進もまた、重要な側面を持っています。1981年に多摩美術大学の教授に就任し、後進の育成に尽力しました。1998年には、その長年の功績が認められ、芸術選奨文部大臣賞を受賞しています。また、多摩美術大学美術館の館長も務め、美術界の発展に貢献しました。これらの活動は、宮崎が画家としてだけでなく、教育者、そして美術界のリーダーとしても重要な役割を果たしたことを示しています。


宮崎進の作品は、その生涯を通じて、人間の根源的な感情や、生と死、希望と絶望といったテーマを深く掘り下げています。シベリア抑留の経験は、彼の作品に独特の陰影を与え、見る者に深い感動を与えます。彼の描く人物や風景は、単なる写実にとどまらず、内面的な感情や記憶を表現しており、観る者の心を強く揺さぶります。


宮崎の作品は、数多くの作品集や展覧会を通じて、広く紹介されています。

主な作品集

『宮崎進画集 1953-1986』(求竜堂、1986年)
『宮崎進画集 私のシベリア 森と大地の記憶』(文藝春秋、1998年)
『宮崎進の仕事 Works of Shin Miyazaki 序章』(生活の友社、2001年)
『宮崎進の仕事 2』(生活の友社、2003年)
『宮崎進の仕事 3』(生活の友社、2005年)
『鳥のように シベリア記憶の大地』(岩波書店、2007年)
『旅芸人の手帖』(岩波書店、2009年)
『冬の旅 Winterreise』(新潮社、2014年)


主な展覧会

「宮崎進展」(下関市立美術館ほか、1994年頃)
「宮崎進展 森と大地の記憶から 三越美術部創設90周年」(1997年)
「所蔵品による宮崎進展」(徳山市美術博物館、1999年)
「宮崎進展 よろこびの歌を唄いたい」(横浜美術館、2002年頃)
* 「宮崎進展 生きる意味を求めて」(周南市美術博物館、2005年)

これらの作品集や展覧会を通じて、彼の作品に触れることで、より深く宮崎進の芸術世界を理解することができます。


2018年5月16日、宮崎進は心不全のため、その生涯を閉じました。しかし、彼の作品は今もなお多くの人々に愛され、その芸術は永遠に語り継がれていくでしょう。彼の作品は、時代を超えて人々の心に響き、その普遍的なテーマは、常に私たちに問いかけ続けます。宮崎進の芸術は、日本の洋画史において、非常に重要な位置を占めています。


参考資料として、コトバンクの情報も参照できます。

宮崎進の作品は、単なる絵画ではなく、人間の生、死、そして希望という普遍的なテーマを深く掘り下げた、魂を揺さぶる芸術作品です。彼の人生と芸術は、私たちに多くの示唆を与え、その深い精神性は、これからも多くの人々に影響を与え続けるでしょう。

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