宮川 (福知山市)

宮川の概要

宮川（みやがわ）は、日本の京都府福知山市と宮津市を流れ、由良川水系に属する重要な河川です。美しい自然環境と豊かな歴史が交錯するこのエリアは、多くの観光客や地元住民に愛されています。

地理と流路

宮川の源流は大江山の千丈ヶ嶽で、流域には美しい原生林が広がっています。ミズナラやブナなど、豊かな植生が残る上流部は、丹後天橋立大江山国定公園に選定されています。また、宮津市中ノ茶屋を流れる堂渕川との合流地点から約300メートルの区間は、「京都の自然200選」にも選ばれている魅力的な二瀬川渓流（二瀬川渓谷）となっています。

平安時代には名将源頼光一行がこの地を訪れ、当時の官女たちが衣を洗ったという伝説が残る衣掛松や洗濯岩も存在しました。1981年には、渓流沿いに約1300メートルの遊歩道が整備され、美しい景観を楽しむことができる名所となっています。また、千丈ヶ滝と二瀬川渓流は、「未来に残したいおおえの自然十景」にも選定されています。

宮川は流域に多くの呼称を持ち、大江町内では二瀬川、上杉川、二俣川、船岡川などとして知られる他、内宮から外宮の間では五十鈴川とも呼ばれます。内宮近くには岩戸の渓谷もあり、両岸には高さ20メートルを超える断崖絶壁が立ち並びます。さらに、宮川橋は国道175号に架かる橋で、戦後の老朽化から新たに架け替えられ、2010年から再び供用されています。

千丈ヶ滝

また、千丈ヶ原ダムの下流には千丈ヶ滝があります。ここでは25メートルの落差で水が流れ落ちる様子が見られますが、実際には滝というよりも急崖に近い形状で、江戸時代の俳人加賀千代女もその美しさを紀行文『老足の拾ひわらじ』で称賛しています。この滝の近くには「滝の不動さん」として知られる不動堂がかつて存在していましたが、1921年にダムが決壊する際に破壊されました。

自然災害

宮川は自然災害の影響を受けやすい河川でもあります。特に2004年の台風第23号の際には、戦後最高の水位7.8メートルと最大流量6,500トンを記録し、流域で多くの被害が発生しました。この時、宮川沿いでは28棟の家屋が被災し、甚大な影響を及ぼしました。

流域の施設

宮川流域には、関西電力内宮発電所や関西電力橋谷発電所などの水力発電所が点在しています。内宮発電所は1917年に稼働し、最大出力200キロワットを誇ります。また、1881年には仏性寺のために千丈ヶ原ダムが完成しましたが、1921年の決壊事件は多くの流域に影響を与えました。現在、復旧された後も発電所として機能しています。

流域の自治体

宮川の流域には、京都府福知山市や宮津市などが含まれています。特に福知山市ではほとんどが旧大江町で、地域の自然や文化が色濃く残っています。宮川は、その美しい風景と歴史的な価値から、訪れる人々にとって大切な存在であり続けています。

このように、宮川は自然の美しさだけでなく、その背後に広がる歴史や文化をも持っており、地域に根ざした貴重な資源となっています。

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