大江町

山形県大江町

大江町は、山形県の中央部に位置し、人口約8千人の町です。1959年、左沢町と漆川村の合併により誕生しました。元禄時代から大正初期にかけて、最上川舟運の中継地として繁栄した歴史を持ちます。

地理

町の面積は154.08平方キロメートルで、その約80%が森林です。町域は東西に細長く、山形盆地西端から朝日山地東端まで広がっています。また、寒河江市と中山[[町]]に複数の飛び地があります。行政上、町域は東から左沢、本郷、七軒の3地区に区分されます。

地形

町域西部は朝日山系の山地帯で、小朝日岳や古寺山などが連なります。小朝日岳を源流とする月布川が町の中央を東に流れ、左沢地区で最上川に合流します。集落は月布川とその支流沿いに点在し、県道27号線が主要な集落を結んでいます。町の中心地は左沢地区で、人口の7割以上が集中しています。JR左沢線の終点である左沢駅があり、国道287号と458号が通っています。

左沢の市街地は、最上川が峡谷を抜けた場所から、最上川と月布川の合流点付近にかけて形成されています。本郷地区と七軒地区は、月布川の谷底平野や河岸段丘上、山村部に集落が点在しています。

山と河川

主な山として、小朝日岳（1,648m）、古寺山（1,501m）などが挙げられます。主要な河川は最上川と月布川です。

地質

町内では、約800万年前の地層から海牛の骨格化石「ヤマガタダイカイギュウ」が発見されました。また、左沢地区西部から本郷地区東部にかけては、亜炭層を含む左沢層が分布しています。かつては炭鉱も開発されましたが、現在はすべて廃鉱となっています。

気候

大江町は、寒暖の差が大きい大陸性気候で、年較差、日較差が顕著です。特別豪雪地帯および積雪寒冷特別地域に指定されており、冬は積雪が深くなります。一方、夏はフェーン現象により、30℃を超える日も珍しくありません。

地名の由来

大江

町名は、合併に際して、最上川がこの地で大きく屈曲する様子から、詩の一節を引用し、名付けられました。また、この地をかつて治めていた大江氏にも由来するとされています。

左沢

左沢の地名の由来には諸説あります。

最上川の右岸を「こちらの沢」、左岸を「あちらの沢」と呼んだことに由来するという説
古語で日当たりの悪い土地を指す「アテ」に由来するという説
寒河江城から見て「あちら」方の渓谷と呼んだことに由来するという説
アイヌ語で「楡の木のある所の下流の沢」を意味する言葉に由来するという説

本郷

江戸時代にこの地域を指した「本郷組」という呼び名に由来します。

月布

月布川で晒した布を租税として納めていたことに由来すると考えられています。

七軒

江戸時代にこの地域にあった七つの村を指した「七軒組」という呼び名に由来します。

歴史

先史時代

後期旧石器時代から人が定住していたことが確認されており、縄文時代の遺跡も多く見つかっています。特に、金谷原遺跡は大規模な石器製作所があったと推測されています。

古代

6世紀にはヤマト王権の勢力が及んでおり、712年には出羽国に組み込まれました。11世紀初頭には、摂関家荘園である寒河江荘が成立しました。

中世 - 近世

1189年、大江広元が寒河江荘の地頭に任命され、その後、大江氏がこの地を支配しました。南北朝時代には、大江氏と斯波氏の間で争いが起こり、大江氏は滅亡しました。1622年には左沢藩が成立しましたが、後に廃藩となり、庄内藩領に組み込まれました。その後、一部は松山藩領となりました。戊辰戦争後、天領であった七軒地区と棚倉藩領であった三郷は酒田民生局に移管されました。

明治以降

廃藩置県を経て、町域は山形県に編入されました。1889年の町村制施行により、左沢村、本郷村、七軒村が発足し、1959年に左沢町と漆川村（本郷村と七軒村が合併）が合併し、大江町が誕生しました。

行政

町長は松田清隆氏です。町議会も設置されています。

施設

警察・消防

寒河江警察署大江交番、寒河江警察署貫見駐在所、西村山広域行政事務組合消防署大江分署があります。

図書館・体育施設

町立図書館、町民総合体育施設、大江町体育センターがあります。

公園・福祉施設

大山自然公園、山形県立朝日学園、特別養護老人ホームなどが設置されています。

生涯学習施設

山形県立朝日少年自然の家、大江町歴史民俗資料館などがあります。

経済

産業

主な企業として、マルハニチロ、クニミネ工業、マーレエンジンコンポーネンツジャパンなどがあります。郵便局や金融機関も町内にあります。

地域

友好都市

友好都市はありませんが、宮城県亘理町と文化事業で協力しています。

交通

山形市まで車で約30分、JR左沢線で約45分です。山形空港までは車で約20分です。仙台空港までは車で約70分です。

鉄道

JR左沢線が通っており、左沢駅が中心駅です。

バス

山交バスと大江町営バスが運行しています。大江町乗り合いタクシーもあります。

道路

山形自動車道寒河江ICが最寄りのインターチェンジです。国道287号、458号、複数の県道が通っています。

教育

高等学校

山形県立左沢高等学校があります。

中学校

大江町立大江中学校があります。

小学校

大江町立左沢小学校、大江町立本郷東小学校があります。

かつて存在した小学校については、本文に詳細が記載されています。

観光ほか

文化財

左沢町場の景観は国指定の重要文化的景観です。左沢楯山城址は国指定史跡です。

イベント

水郷おおえ夏まつり花火大会、大江ひなまつり、正調最上川舟唄全国大会などが開催されます。

名所

護真寺の阿弥陀如来坐像、神代カヤ、松保の大杉、楢山不動滝などがあります。

温泉

道の駅おおえ、柳川温泉、舟唄温泉、古寺鉱泉などがあります。

出身人物

鈴木俊雄、板垣清一郎、吉村美栄子、若松正俊、志田周子、熊谷眞一、結城登美雄などがいます。

脚注

注釈と出典は、本文に詳細が記載されています。

参考文献

本文には、参考文献が記載されています。

外部リンク

山形県西村山郡大江町の公式サイトと東京大学史料編纂所のリンクが記載されています。

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